刑事裁判、迅速化へ・1日から新制度

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061001AT1G2905230092006.html

市民が重大事件の審理に参加する裁判員制度の2009年開始を控え、刑事分野の司法制度改革がほぼ整うが、充実した審理の維持が課題となりそうだ。

「充実した審理」を享受できるのは、堀江氏のような、費用に糸目をつける必要がないお金持ちだけで、他の大多数の人々は、被告人も弁護人も、「迅速」の名の下に、裁判所、検察庁ペースに翻弄され、気がついたら有罪になっている、というのが実態のような気がしますが、気のせいでしょうか。

宮内被告、矛盾突かれ言葉詰まる・ライブドア堀江公判弁護側尋問

http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=NN000Y750%2026092006

私は、この証人尋問を見ていませんから、あくまで印象ですが、弁護人は、開示を受けた大量の電子メールを徹底的に分析して反対尋問で活用したようですから、数か月前、数年前のことを、ミクロの視点で聞かれれば、言葉に詰まる場面が出るのは、むしろ当然のことでしょう。問題は、証言が、枝葉末節ではなく根幹部分において、信用できると言えるかどうかです。そういった信用性は、その人の証言だけではなく、他の証言や証言以外の証拠(電子メールなど)との整合性も考慮された上、最終的に裁判所によって評価、決定されます。
弁護人は、反対尋問でかなり追及を重ねて、証人を苦しめたようですが、表面的な部分に目を奪われて、この証言は崩れた、信用性が否定された、と即断するのはまだ早いのではないかというのが、私の印象です。

「司法修習生雑話」

http://blog.goo.ne.jp/sleepingcat_2006/e/5f672e7cd8af29adc1bd1bd5d787e399

ボツネタ経由。
昔、司法研修所にいた際、本来は司法修習生がいない日だったと思いますが、図書館に用事があったので、図書館事務室受付前で、中にいる人に声をかけようとしたところ、内部で、研修所の職員が、修習生の悪口を思い切り言い合っていて、「あいつら、ほんと、馬鹿よねー」「頭悪いのよ、結局」などと罵倒しているのが聞こえました。修習生がいないと思い込み、たまったストレスでも発散させていたのかもしれません。
日頃、なかなか聞けない本音が聞けるため、しばらくじっくり聞かせてもらった後、「あのー」と声をかけると、中にいた人々は、かわいそうなくらい動揺していました(笑)。笑顔を取り繕って出てきた職員の豹変ぶりが滑稽で、この人達は、こうして表裏を使い分けて生きているんだな、国民に対してもこういう接し方をしているのかな、と、強く印象に残った記憶があります。
今なら、どこかの匿名掲示板にでも書き込んで、大きな祭りでも始まるところかもしれませんが、当時は、幸いにして(?)、インターネットもなく、そういうことにはなりませんでした。
それぞれの立場で、言動には十分注意すべき、ということでしょう。今後は、司法修習生だけでなく、裁判員も、上記のような陰口の対象になってくる可能性があると感じるのは、私だけではないでしょう。

最高裁長官に島田仁郎氏、刑事裁判に精通

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061002-00000201-yom-pol

少し前に、

最高裁長官、堀籠氏起用に固まる
http://www.asahi.com/national/update/0923/TKY200609230256.html

というニュースが流れていましたが、どちらが本当なのでしょうか。長官が2人になることはないので、どちらかが誤報でしょうね。まさか両方が誤報ということはないと思いますが。
最高裁長官人事について、こういった誤報(多分、どちらかが)は珍しいと思いました。

追記1:

上記の「堀籠氏」のほうの記事は、このエントリーをアップした後、3分ほどで消されて見えなくなっていました。こちらが誤報なのでしょう。
産経では、まだ、

4年ぶり交代、最高裁長官に堀籠氏内定
http://www.sankei.co.jp/news/060923/sha023.htm

と出ています。

追記2:

上記の消えてしまった朝日の記事では、「裁判員制度が09年春までに始まると、刑事裁判は様変わりする。刑事裁判官出身で、残り任期が4年近くあり、裁判員制度開始時期をまたいで長官職をこなせる堀籠氏に白羽の矢が立ったとみられる。」とありますが、読売の記事では、「任期は定年の70歳となる2008年11月まで。09年5月までに裁判員制度が始まる予定になっており、島田新長官は、制度の円滑な実施に向けた環境整備を進めることになる。」とあって、2009年をまたいで在任できるかどうか、が焦点になっていた可能性はあるでしょう。最高裁のサイトで経歴を見ると、島田裁判官のほうが、堀籠裁判官よりも、修習期が2期上であり、どちらも似たような、刑事畑の裁判官出身ということで、最後は、修習期が上のほうが長官になるという、法曹界にありがちな人事に落ち着いたのかもしれません。
島田→堀籠と長官をリレーする、という流れが予定されている可能性もあるでしょう。

追記3:

上記の朝日の記事は、消えたと思ったら消えていませんでした。何が本当で何が誤報なのか、謎ですね。

共謀罪「法原則に合わぬ」 政府、99年に主張

http://www.asahi.com/national/update/1001/TKY200610010179.html

今回明らかになった日本の政府提案は99年3月、国連の条約起草委員会に示された。当時の条約原案では、「共謀罪」か、組織的犯罪集団の活動に加わるだけで処罰する「参加罪」を国内法に盛り込むことを例外なく要求していた。日本は「日本の国内法では、犯罪は既遂か未遂の段階で初めて処罰するのが原則。すべての重大な犯罪に共謀罪や参加罪を導入することは日本になじまない」と強調、条約に国内法の基本原則を尊重する条項を盛り込むよう要求した。
日本の提案に韓国や中国、タイなどが賛同し、条文に「締約国は、自国の国内法の基本原則に従って必要な措置を取る」との文言が加えられた。
さらに、もともと共謀罪や参加罪といった犯罪類型を持たない国々を念頭に、日本は「参加罪」の変化型を新たな選択肢として示した。「組織犯罪集団の行為に参加することで、それが犯罪の成就に貢献することを認識しているもの」という要件だった。

日本政府が、早くから、「共謀罪が日本になじまない法制度である」ということを認識していたことを示すものと言えるでしょう。政府自身が、日本になじまないと考えているものを、国会や国民に理解しろ、受け入れろ、というのが、無理な話だと思います。
様々な議論の中で、「共謀罪」の原型である英米法の「コンスピラシー」と、日本法が採用する「共謀」概念が、似て非なるものであることは明らかになっており、日本には存在していなかった法概念を新たに受け入れることができるか、受け入れられない場合はどうするか、という、本質にさかのぼった議論を十分行う必要があると思います。

今夜の山本モナ(TBS・ニュース23)

この目でしっかり見ようと、ニュース23にチャンネルを合わせていたところ、膳場アナが、「体調がすぐれないため、しばらくお休みをいただきます。」とアナウンスしていました。
先週金曜日には、わざわざ岐阜まで行って、人々にインタビューして回っていたのに、いきなり「体調がすぐれない」はないのでは?と思いますけどね。仕事を休むのに、「しばらく休みます」では、普通は済みません。私が、周囲に「しばらく休みます」と言ったら、皆、驚き、怒るでしょう。
山本モナは、このまま「体調がすぐれず」降板という可能性もありそうです。