とにかく同意が必要 “イエス以外はすべてNO!”という認識を 性犯罪をめぐる法律が改正「不同意性交罪」が施行 "同意ない"具体例8つが提示 「経済的・社会的地位の利用」の明文化がポイント

とにかく同意が必要 “イエス以外はすべてNO!”という認識を 性犯罪をめぐる法律が改正「不同意性交罪」が施行 "同意ない"具体例8つが提示 「経済的・社会的地位の利用」の明文化がポイント(関西テレビ) - Yahoo!ニュース

ポイントの1つ目、「経済的・社会的地位の利用」が明文化された点です。家族や夫婦、会社や学校といった場所で関係性が深いほど、性被害の声を上げにくい実情があります。だから明文化に意義があるということです。

従来の強制性交、わいせつ罪は、暴行、脅迫により、あるいは対象者の状況が、抵抗が著しく困難な状態にないと成立せず、法益保護が十分ではないという問題がありました。その意味で、改正法は、法益保護をより手厚くしていて、改正の方向性としては正しいと言えるでしょう。

ただ、法益保護が手厚くされたことは、同時に、犯罪の成否が微妙になりがちな要件も含まれたということでもあり、特に、例示中の「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること」という要件は、様々な微妙な態様が考えられ、しかも「憂慮」という、被害者側の内心の状態に大きく依存する要素を含んでいて、今後、刑事実務上は水掛け論的な争いになるケースがかなり増えそうな予感がします。

供述以外の客観証拠にも慎重に目を向けつつ、手堅い事実認定を行なっていくことが肝要でしょう。

 

「小沢一郎 淋しき家族の肖像」

 

たまたま、著者について触れているネット上の記事があり、今更ながら本書を読んでみました。初出から10年余りが経っています。

書いてある事実関係がどこまで正しいのか、よくわからないものの、感じたのは、政治家というのは政治のために家族も犠牲にせざるを得ず、良好だった様々な人々との人間関係も多くは壊れていき、孤独なものだろうな、ということでした。

平凡な人生を、ごく平凡に生きていくのが幸福なのかもしれません。

 

柴田勝家 織田軍の「総司令官」

 

私自身の柴田勝家に対するイメージは、

織田信長の最古参の重臣で、一時、反旗を翻したが後に帰参して重用された

・北陸方面で戦っている際に本能寺の変が起き、明智光秀打倒を羽柴秀吉に先んじられた

お市の方と再婚した

羽柴秀吉と争い賤ヶ岳の合戦で敗れ北庄城でお市の方とともに自害した

という程度で、生涯を通して見たことはなく、最近、本書が出たので、興味を感じて通読してみました。

史料に基づきつつ、柴田勝家の生涯が丹念にたどられていて、上記のような大雑把なイメージの間をかなり埋めることができた感じでした。

北庄城跡は、一昨年くらいに訪れたことがありますが、その後、

asakura-museum.pref.fukui.lg.jp

がオープンして、見学に行きたいと思っているので、改めて北庄城跡にも行きたくなりました。

 

森ビルが手掛けた「六本木ヒルズ」は開業20年…危機乗り越え売り上げが過去最高を更新

森ビルが手掛けた「六本木ヒルズ」は開業20年…危機乗り越え売り上げが過去最高を更新(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース

六本木ヒルズは、現在も年間4000万人が訪れる。昨年12月24日には1日当たりの来街者数が過去最高の33万人を記録。商業施設の22年度の売上額も過去最高を更新した。20年たった今のほうが人気があるということだ。

他にも同種の施設は増えていますが、六本木ヒルズは、映画館がありイベント会場があり、また、「街」としての作りに趣向が凝らされていて、人を惹きつける魅力があるように思います。

私が初めて六本木ヒルズに足を踏み入れたのは、オープンした2003年春のことで、当時はまだ39歳、40歳の手前でした。20年経ち、その間、無数の機会に六本木ヒルズを利用して、今や59歳、会社なら定年直前に達していて、月日の移り変わりや自分自身の老いを改めて感じます。

 

「オウム死刑囚父の手記」と国家権力

 

この本が出たことをたまたま知って、通読してみました。

私自身、1995年から1996年にかけて、当時在籍していた東京地検公安部で、本書で取り上げられている井上嘉浩が大臣を務めていたオウム真理教諜報省関係の捜査、取調べを担当し、かなりの諜報省関係の信者を取調べました。その中で井上嘉浩の話はよく出てきて、供述調書に録っていったことが思い出されます。

私自身は井上嘉浩を取調べたことはありませんでしたが、取調べを通じて感じられた、カリスマ性、積極性、行動的、人を惹きつけるもの、といったことは今でも思い出されます。そうであるからこそ、重大事件に関与し、結果として死刑判決が確定、執行されることになったと言えるでしょう。

逮捕後は改心し、捜査にも協力して、家族との関係も大きく改善されて行ったことが本書では紹介されています。それを読んでいると、死刑が執行されたことに残念さが強く感じられますが、一方で、井上嘉浩らが関与した事件の重大性、犠牲になった人々やその遺族を思うと、生きて罪を償えたのかという思いも払拭できないものがあります。

死刑制度の存廃問題を含め、解決することも割り切ることもできないものを、本書の通読後に重く感じました。オウム真理教に関わらなければ、もっと有意義な、より長い人生があった人でしょう。

香川県議の海外視察、1人263万円 「あまりにも高額」と批判

香川県議の海外視察、1人263万円 「あまりにも高額」と批判(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

費用は航空券代、宿泊代、ガイド・車両代などで計2106万円を見積もり、1人263万円となる計算だ。  国家公務員の規定に準じるとした県条例に基づき、航空機はビジネスクラスを利用。

記事に添付されている見積書の画像を見てみましたが、この件、ビジネスクラスを利用し、燃料サーチャージも高額なので、経費が多額に及んでいるのが実態です。

国民が、失政により円安、物価高に苦しんでいるのを尻目に、税金で成り立っている公務員がビジネスクラスで豪華な大名旅行へ行くのがそもそもおかしいわけで、ビジネスクラスで行ってもエコノミークラスで行っても、出発する時間も到着する時間も変わりませんからエコノミークラスで行けば良いと思うのが、ごく普通の国民感情でしょう。

それで辛くて行けない人は行かなければ良く、行ける人が行けば済むことだと思います。

こういうことがまかり通ってしまうこと自体が異常でしょう。

 

検察、袴田さんの有罪立証へ 再審公判、無罪に向けた審理長引く

検察、袴田さんの有罪立証へ 再審公判、無罪に向けた審理長引く(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

焦点は、確定判決が袴田さんの犯行時の着衣とした「5点の衣類」で、逮捕から約1年後にみそタンク内で見つかり、付着した血痕には赤みが残っていた。再審開始を決めた3月の東京高裁決定は、弁護側の実験などに基づいて「1年もみそに漬かれば血痕は黒褐色に変わる」と認定し、逮捕後に捜査機関が入れた捏造(ねつぞう)証拠の可能性が「極めて高い」と指摘した。

東京高裁での審理は、最高裁により論点を衣類の問題に絞った上で差し戻された上でのもので、そうである以上、検察の補充立証は迅速、十分に行って高裁の判断を仰ぐべきでした。

高裁の決定が検察の意に沿うものではなかったからと言って、本来、やるべきであった補充立証を再審公判に持ち越して行うというのは、公益の代表者として国民の理解を得られるものか、かなり疑問を感じます。

そういったちぐはぐな対応は、検察への不信をさらに増大させかねず、今後の事件処理に悪影響を及ぼしかねないでしょう。そう感じるものがあります。