とにかく同意が必要 “イエス以外はすべてNO!”という認識を 性犯罪をめぐる法律が改正「不同意性交罪」が施行 "同意ない"具体例8つが提示 「経済的・社会的地位の利用」の明文化がポイント

とにかく同意が必要 “イエス以外はすべてNO!”という認識を 性犯罪をめぐる法律が改正「不同意性交罪」が施行 "同意ない"具体例8つが提示 「経済的・社会的地位の利用」の明文化がポイント(関西テレビ) - Yahoo!ニュース

ポイントの1つ目、「経済的・社会的地位の利用」が明文化された点です。家族や夫婦、会社や学校といった場所で関係性が深いほど、性被害の声を上げにくい実情があります。だから明文化に意義があるということです。

従来の強制性交、わいせつ罪は、暴行、脅迫により、あるいは対象者の状況が、抵抗が著しく困難な状態にないと成立せず、法益保護が十分ではないという問題がありました。その意味で、改正法は、法益保護をより手厚くしていて、改正の方向性としては正しいと言えるでしょう。

ただ、法益保護が手厚くされたことは、同時に、犯罪の成否が微妙になりがちな要件も含まれたということでもあり、特に、例示中の「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること」という要件は、様々な微妙な態様が考えられ、しかも「憂慮」という、被害者側の内心の状態に大きく依存する要素を含んでいて、今後、刑事実務上は水掛け論的な争いになるケースがかなり増えそうな予感がします。

供述以外の客観証拠にも慎重に目を向けつつ、手堅い事実認定を行なっていくことが肝要でしょう。