「人間交差点」

 

 

かなり昔から、紙の本でぽつぽつという感じで読んでいたのですが、紙の本を処分してしまったり、読んでいない巻もあったりという状態で、Kindleで改めて全巻を揃えて、徐々に読んでいます。

昭和の終わりから平成の初め頃にかけて出たもので、昭和の頃の日本、日本人というものが色濃く出ている面があって、しんみりさせられたり、あの頃はそうだったなと当時を振り返る切っ掛けになったりします。

時代が変わると感覚、考え方が変わるものも、こうして作品の中にパッケージ化されることで、消えずに残っているものだなと感じるものがあります。

今後も、折に触れて読んで、昔を振り返り、しみじみとさせられる、私にとってそういう作品であり続けるでしょう。

 

「区分マンション投資の基本: 不動産投資で失敗したくない初心者が最初に読む本」

 

最近、区分マンション投資に興味、関心を持ち、頭の体操も兼ねてちょこちょこと本を読んでいるのですが、これがアマゾンであったので、ちょっと読んでみました。

著者は、実際に区分マンション投資を手掛けているようであり、その経験も踏まえて、問題になりやすい店や注意すべき点を具体的に指摘していて、読んでいてなるほどと納得することも多く、また、わかりやすくもあり、頭の体操としても役立つものがありました。

スルガ銀行のようなところで何千万、何億円と借りる前に、こういった本をこつこつと読んで知識を積み重ねることが必要、重要でしょう。特に初心者にとって読むべきものがあると感じました。

「激動日本左翼史 学生運動と過激派1060-1972」

 

本書が出る前に出た

 

が実におもしろく、続編である本書も読んでみました(正確には、移動中にオーディブルで聴いたのですが)。

左翼はいろいろなセクトがあり、知っている人でも正確にはわかりにくいものですが、本書ではそういったこともわかりやすく丁寧に説明した上で、様々な事件やその背景にも目を向け、日本の左翼運動の歴史を鳥瞰していて、実におもしろく参考になりました。幅広く読まれるべき良書だと思います。

さらに続編も出るようですから、楽しみです。

 

「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」

 

先日、同じ著者の

を読んでみておもしろかったので、、その後に出た「なぜ午後4時に仕事が終わるのか」も読んでみました。

フィンランド、と銘打っていますが、これはスローライフの勧めだなと、読んでいて思いました。

日本人は、明治以後の富国強兵の呪縛からなかなか逃れられないでいます。敗戦後、非武装でアジアの農業国にでもなろうと考えていた面もあったようには思いますが、そうもいかず、高度経済成長により世界有数の経済大国になりました。その反面、軍事小国であったはずが、世界情勢、アジア情勢の中で、軍事大国への道を歩みつつあります。一方で、少子高齢化によりその経済的基盤は大きく揺らぎ、平成バブル崩壊後の長い低迷から抜け出せずにいます。

今こそ、明治後の富国強兵、世界の真ん中で花咲く、といった路線から一定の距離を置き、多様な価値や生き方を尊重する、暮らしやすい、偉大な二流国家(1.5流でも良いですが)を目指すべき時に来ているのかもしれません。

そういった意味でも、フィンランドに学ぶことは多いでしょう。

同じ著者で

 

も今後出るとのことなので、こちらも読んでみたいと考えています。

 

「不動産投資が気になったらはじめに読む本:「東京の中古ワンルーム」で経済的自由を実現する方法」

 

たまに不動産投資関係の本を、頭の体操も兼ねて読んでいるのですが、最近、ワンルームマンション投資にネガティブな内容のものをよく読んでいる気がして、そういった投資にポジティブなものとしておもしろそうだったので、これを読んでみました。

著者は、無理な税金対策といったことを目的とすることなく、地道に、こつこつと、東京23区内のワンルームマンションに投資し、繰り上げ返済を進めつつ、戸数を徐々に増やしていくことを推奨します。確かに、東京は人が集まる場所で空室リスクは低く抑えられ、様々なメリットもあって、こういう投資スタイルには合理性を感じるものがあります。

ただ、入手時点で既に中古ですから、長年月が経過した後には値下がりリスクや建物老朽化なども生じるでしょうし、融資がない、あるいは減った状態で一定の家賃収入が得られるようになったその先の「出口」をどう見出すのか、といったことも疑問としては感じました。東京23区内であれば売却もしやすいということで、適宜、売却して行くのでしょうか。

ワンルームマンション投資の、一種の王道を紹介したものともいえ、その方面に関心がある人には参考になるものだと感じました。

【速報】沖縄の新規感染者が初の2000人超

【速報】沖縄の新規感染者が初の2000人超(沖縄テレビOTV) - Yahoo!ニュース

沖縄で1日に発表される新規感染者が2000人を超えるのは初。

ゴールデンウイーク中にかなりの人が沖縄へ観光に行ったはずですから、この状況は、観光から戻った人々の一定数が感染して感染の拡大へとつながる可能性を感じさせるものですね。

ワクチン接種を励行することで、現状では、感染しても重症化、死亡にはつながりにくくなっていて、海外でもマスク着用義務を撤廃する流れにもなる中、感染を恐れて観光に行かない、ではいつまでも経済は回りません。ただ、現状、どうなっているかといったことは常に関心を持って把握しておく必要はあるでしょう。それが、個々の感染対策にもつながります。

「遺言 野村克也が最期の1年に語ったこと」

 

著者は、長年、スポーツ紙の野村番記者として野村克也氏の身近にいた人で、逝去直前の1年ほど、食事をしながら野村氏の肉声に接していて、本書では、その際のことや追憶の中の野村氏が語られています。

野村氏の信条として、仕事上、厳しく接するため選手やコーチと個人的な交際はしないままでいて、晩年は奥さん(サッチー)に先立たれ寂しく過ごしていたのが、著者の尽力でかつての選手やコーチらと再会を果たして、その際の素直な嬉しさも、本書では紹介されています。

野村氏が成し遂げたこと、残したものの大きさを感じる一方で、そのために同氏が犠牲にしてきたもの、失ったものの大きさも感じられ、大きな惜別感とともに、人が生きることの厳しさ、難しさといったことも感じられました。

良質なノンフィクションであり、野村ファンにとっては必読の一冊でしょう。