「外務省革新派」

 

 

戦前、戦中の昭和史に関する本を読んでいると、官僚の中に革新派という一群の人々がいて様々に活動していて、一度、そこにスポットライトを当てた本を読みたいと思っていたので、これを読んでみました。

紙幅が大きく割かれている外交官の白鳥敏夫は、前に読んだ

yjochi.hatenadiary.com

でも取り上げられていた昭和天皇のお言葉

A級が合祀されその上 松岡、白取までもが

で、畏れ多くも不快感の対象となっていたことで脚光を浴びていたことが思い出されます。

読んで感じたのは、外務省で革新派と呼ばれ括られていた人々の中には、白鳥敏夫のような、ワシントン体制からの脱却、独伊と連携しつつアジアにおける日本を中心とした新体制(大東亜共栄圏)建設を積極的に目論んでいた人々もいれば、付和雷同したり単なる傍観者であった人々もいて、濃淡があるものの、軍部と連携する動きを続けていたことから、実態よりも大きく見えていた側面があったということでした。

本書の中では、活発に言論活動を展開していた白鳥敏夫の言説がいろいろと引用、紹介されていましたが、独ソ不可侵条約締結前には、ドイツと連携して反ソで動くことを提唱し、同条約締結後には一転してソ連との連携を提唱し、独ソ開戦となると、一転、反ソを喧伝と、単にドイツに引きずられているだけの場当たり的、思いつき的な言動が顕著で、昭和天皇が「白取までもが」と不快感を示されたことが改めてよく理解できました。

思えば、外務省革新派のような人々は常にいて、国を、社会を混乱させ引っ掻き回して誤った方向へと進めさせる上での太鼓持ち幇間のような役割を果たしているものでしょう。そういうものの誤った、間違った本質を見抜いて寄せ付けない、排除する機能を、健全な国家社会というものは常に持っておく必要があると強く感じました。

 

真珠湾攻撃から80年 米ハワイで追悼式典

真珠湾攻撃から80年 米ハワイで追悼式典(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース

式典が開かれた公園は攻撃を語り継ぐ役割を担っていて、公園の管理者は「戦艦の元乗組員らが今回は駆けつけてくれたが、当時を知る人たちは年々少なくなっている」と話し、当時を知らない世代が後世に伝えていくことの重要性を強調しました。

数年前にパールハーバーを見学する機会があり、英語ができないのを一生懸命に説明を読みながら見学したのですが、説明内容が、日本が悪いとか誰が良いとか悪いといった、そういうレベルでものを言っていなくて、真珠湾攻撃に至る経緯、背景を客観的に紹介した上、なぜ奇襲を受けたのか、防げなかったのかという、そこに焦点を当てているのが印象的でした。

映画「トラトラトラ」にも出てきますが、米軍のレーダーはパールハーバーに接近する日本機編隊を捉えていましたし、特殊潜航艇「甲標的」は湾の入口で発見され米軍の攻撃を受けていました。そういう兆候があったのに、なぜ迅速に対応して奇襲を防げなかったのかが問題として取り上げられ、その上で、導かれる教訓は過去のものではなく今を生きる我々のものであると強調されていたことが思い出されます。

現状の日本も、周辺の軍事環境は日々、緊迫度を増しており、奇襲を受ける立場になることも十分にあり得ます。パールハーバーの教訓は、日本にとっても重要であるということを、80周年を機に改めて考えておく必要があるように思います。

 

 

 

学歴フィルター? 「大東亜以下」マイナビのメールが物議 運営元は「事実関係を確認中」

学歴フィルター? 「大東亜以下」マイナビのメールが物議 運営元は「事実関係を確認中」(ITmedia ビジネスオンライン) - Yahoo!ニュース

マイナビのような会社が、人を学歴で差別しているのではないかと疑いを持たれること自体、由々しきことですから、しっかりとした調査、対応が必要でしょう。

私自身、様々な人を見てきましたが、学歴というのは、その人の1つの履歴に過ぎず、それだけで能力を判断することはできず、その人自身を見なければならないと、いつも考えています。

私が社会に出た頃は、大企業で、指定校制度をとって、特定の偏差値が高い有名校出身者しか採用対象としない、としている会社が多かったものでしたが、では、そういう採用をされた人々が、その後にどうなったかというと、活躍した人もいればそうでない人もいて、人それぞれでした。

学歴というのは、あてにならないものですし、社会で問われるのは、その人の総体としての能力であり、人格なのだと思います。

勉強は大学で打ち止めになるのではなく、その後も、地道に、必要な分野の勉強をしたり幅広く読書して知見を高める努力をすることが、成功への道だと思います。

熱海土石流、殺人容疑の告訴状を受理…遺族側「盛り土業者側に未必の故意」

熱海土石流、殺人容疑の告訴状を受理…遺族側「盛り土業者側に未必の故意」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

告訴されているのは、盛り土を造成した神奈川県小田原市の業者と現在の土地所有者。遺族側は告訴状で「(業者や土地所有者は)安全対策を取らなければ、居住者を死亡させる恐れが大きいと知りながら死に至ってもやむを得ないと考えていた」と主張。弁護団は「人が死んでも構わないという『未必の故意』があった」と説明している。

告訴というのは、刑事訴訟法上「捜査の端緒」と位置付けられ、犯罪が成立するから受理する、成立しないから受理しないというものではそもそもなく、特定の犯罪の嫌疑があれば受けて捜査をする、そういう性質のものです。

本件では、大雨を機に盛り土が崩れ複数の死亡者が出て、盛り土の管理の在り方に絡んで刑事責任が生じる、一定の嫌疑は存在し、そこを故意と評価するか、過失と評価するか、故意も過失も認定できないのかは、捜査を遂げた上で判断すべき問題でしょう。

現時点で、捜査対象となる事象が明確になっている以上、殺人と構成した告訴状を受理しても、今後の操作に支障はないでしょうし、受理されたから捜査機関が殺人が成立すると考えているということにもなりません。あくまで捜査がこれから展開されていく、その入口段階にあるということです。誤解やあらぬ期待をせずに、冷静に見ていく必要があると思います。

『紅白』落選アイドルは“賞味期限切れ”か?AKB48、モー娘。、ももクロから考える「夢の到達点」

『紅白』落選アイドルは“賞味期限切れ”か?AKB48、モー娘。、ももクロから考える「夢の到達点」(QJWeb クイック・ジャパン ウェブ) - Yahoo!ニュース

私自身は、日頃、何かと忙しいこともあって、歌番組はまず見ませんし、若い男性、女性のアイドル、歌手事情には疎く、紅白歌合戦を見ていて、こういう人もいたんだ、と感心することも少なくありません。

とはいえ、そう思ったりしながらも、紅白歌合戦は欠かさず見ていて、そこを、最高峰と捉えて出場を目指す人々の気持ち、関係者の意欲、努力はよくわかります。

私も、60歳を目の前にしつつあり、石川さゆり津軽海峡冬景色と天城越えを毎年、交互に歌っていても、マンネリとは感じつつ良いものだなー、と感激してしまうのですが、視聴者には様々な人がいて、最近のヒット曲もない歌手は出すなという人もいるでしょうし、NHKも、出場者選定に苦労するだろうな、ということも、いつも感じるものがあります。

そういった、様々な思惑が錯綜する中で、今年の紅白歌合戦も徐々に近づいてきます。

「矢野論文」が引き金、バラマキ論争の結末は?【政界Web】

「矢野論文」が引き金、バラマキ論争の結末は?【政界Web】(時事通信) - Yahoo!ニュース

財務省の矢野康治事務次官による文芸春秋11月号への寄稿は、大きな反響を呼んだ。財政再建に逆行する政治状況に現役次官が直言する内容から、「矢野論文」の名であっという間に拡散。情報番組などを通じ、お茶の間も「バラマキ」論争に巻き込んだ。しかし、11月に決定した政府の経済対策は、相変わらずの国債頼みで、50兆円超の規模に達した。

今は新型コロナウイルスの影響下にある非常時ですから、財政出動を積極的に行うことはやむを得ませんが、赤字国債へ依存しすぎあ赤字がとめどなく増えていく状態は、どこかで歯止めをかけ財政健全化へ向けて舵を切るべきでしょう。将来にツケを回し、未来の日本人に多大な借金を背負わすことが正しい方策とは思えませんし、未来が来る前に国家財政が破綻する、その恐れも考慮すべきでしょう。

現状では、政治は目先の選挙に目を奪われバラマキ合戦にうつつを抜かし、国家の長期的な在り方を、責任を持って考え実行する人が、そういう機能が失われていることが大きな問題だと思います。

今後の日本の、日本社会の在り方を、もっと正面から考えていく必要があるでしょう。

伯父「両親に苦痛与えるため」 兵庫県稲美町の兄弟死亡放火

伯父「両親に苦痛与えるため」 兵庫県稲美町の兄弟死亡放火(共同通信) - Yahoo!ニュース

兄弟の両親から食事や住宅内の移動、入浴など生活を制約されたと思い込み、「両親に精神的な苦痛を与えたくて大切な子どもを狙った」と動機を供述していることが2日、捜査関係者への取材で分かった。

検察庁にいた当時、連続放火事件の捜査を担当したことがあり、中には居住者が焼死した件もあって、現住建造物等放火罪と併せて殺人罪、殺人未遂罪も成立するのはどういう場合か、かなりの同種事例を集めて検討したことがあります。記憶しているのは、建物内に人がいて、しかも、深夜で就寝しているとか、逃げ出しにくい状態にあるといった状況で、そういう状態を認識、認容しつつ放火しているケースで殺人罪や殺人未遂罪が認定されやすい傾向があるということでした。

本件でも、子供達しかいない状態で、放火されれば逃げ出すのが困難な状況であったことが容易に推測され、しかも、記事によれば殺意もあったようですから、殺人罪も認定される可能性は高いように思われます。

尊い人命が失われ、気の毒としか言いようがありません。