警察庁長官狙撃事件 「自白」の受刑者死亡 特命班捜査も立件至らず

警察庁長官狙撃事件 「自白」の受刑者死亡 特命班捜査も立件至らず(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

警視庁は公安部主体の捜査本部を設置し、教団による組織的テロとみて捜査を進めた。これに対し、刑事部捜査1課を中心とした特命捜査班は、2001~02年に大阪市名古屋市で発生した現金輸送車襲撃事件で逮捕され、強盗殺人未遂罪で無期懲役が確定した中村受刑者の関与を疑い、真犯人とみて捜査していた。  

中村受刑者は銃撃を「自白」したが、立件には至らず、10年3月30日に当時の殺人未遂罪の公訴時効(15年)を迎えた。

私は、長官狙撃事件が起きた直後の平成7年(1995年)4月1日付けで東京地検に配置換えになり、公安部所属になったので、事件直後から、同事件の関係でも捜査に従事するようになりました。警視庁公安部、東京地検公安部がオウム関係で狙っていた最大の事件が、この長官狙撃事件でした。

私自身、当初は、オウム関係者による犯行と強く感じていましたが、様々な事件で、関係者から自白が得られるのに、この事件については幹部信者らも頑として自白せず、不思議なことだと感じていました。そして、捜査が紆余曲折を経る中で、私自身は検察庁を辞めた後でしたが、浮上したのが上記の記事の受刑者でした。

警視庁刑事部の管理官が書いた本も読みましたが、自白に、これだけの裏付け証拠があれば有罪になるだろうと思えるものがありました。ただ、決定的かといえば、果たしてどうだろうかとも感じ、警察が踏み切れなかったのもわかる気もしたことが思い出されます。

捜査の初期に関わった者として、真相は結局何だったのだろうかという思いが今でも残ります。