これまで出てきた
の「完結編」ですが、一通り読んで(聴いて)きたので、これもオーディブルで通して聴きました。
前2巻と同様、日本の戦後左翼史が縦横無尽という感じで語られていて、著者2人の分析も含め、大いに参考になるものでした。私自身、検察庁では公安部に在籍したこともありましたが、当時、これらの本があれば、左翼運動に対する理解がよりしやすかっただろうと感じるものがありました。左翼が自らを振り返るためにも、別の陣営が左翼を見るに当たっても、必読文献という気がします。
今は退潮一途の日本左翼ですが、資本主義の矛盾というものは消えてなくなることはなく、困窮した人が増えれば左翼へと目が向いてくる必然があります。同調するにしてもしないにしても、左翼というものを、偏りのない目で見ていく必要はあると思います。