ノモンハン 責任なき戦い

 

ノモンハン 責任なき戦い (講談社現代新書)

ノモンハン 責任なき戦い (講談社現代新書)

 

 昨夏に放映されたNHKスペシャルの番組を、私は見そびれてしまっていて、そのうちに、書籍のほうが出たので、先にこちらを読みました。

ノモンハン事件は、アジア・太平洋戦争に先駆ける、火力を軽視し精神力に過度に依存した日本軍の欠点が大きく露呈したものとして有名ですが、では、その経過をどこまで知っているかというと、私は大まかな概略しか知らなかったため、この本で経過を知ることができましたし、参謀本部関東軍の軋轢も具体的に知ることができました。

悲惨なのは、戦死者だけでなく、無理な作戦で通信も途絶する中でのやむを得ない撤退や、やむを得ず捕虜になった責任を問われ、自決を強いられたり、軍を追われ困窮した生活を強いられた人々で、実に気の毒でなりませんでした。

そして、ノモンハン事件で露呈した様々な問題点は、その後のアジア・太平洋戦争だけでなく、今に至る日本社会の中でも脈々と残っているのではないかという問題意識も強く持つ必要があるでしょう。

ノモンハン事件に関する専門書は幾多ある中で、読みやすく、事件の本質に迫った本書は、今後も読み継がれていく意味、価値のあるものという印象を強く受けました。

無謀な作戦の犠牲になり、戦陣に散り、自決を強いられ、不遇な人生を歩んで無念の死を遂げた人々のご冥福を深くお祈りします。