「タテ社会と現代日本」

 

最近、同じ著者の

 

Amazonオーディブルで聴いて、「現代日本」もオーディブルで聴いてみました。

著者が、現代日本について、どういう切り口を見せるか期待していたのですが、日本社会の本質は昔も今も変わっていない、という論調で展開されていて、前著に特に新たに付け加えるようなものは見て取れませんでした。

印象として、著者の日本社会への見方には古さも感じるものがありましたし、本質的なものと、その時々の現象的なものの峻別の難しさも、改めて感じるものがありました。

私自身、昭和39年生まれで、昭和40年代から昭和50年代当時の、正に「タテ社会の人間関係」が大いに脚光を浴びた当時のこともわかりますし、その後の、バブル経済、崩壊、失われた日々における様々な変貌も目の当たりにしています。これだけ転職が多くなっている中で、著者のように、組織の中での在籍年数の長さが強みになるから、大きな、強い組織ほど転職しないもの、と言われても、はい、そうですねとは言い難いものがあります。日本社会とはこういうものなのだ、という分析だけでなく、グローバル化する中での、外部要因による影響とか人々の意識の変化とか、著者が言及していないファクターにも大きく目を向けていく必要性を感じるものがありました。