「昭和の参謀」

 

かつて、

を読んで、参謀の在り方、功罪を考えさせられたことがありましたが、最近になって「昭和の参謀」が出たので読んでみました。

取り上げられている人物の多くが、様々な著作の中で論じられてきた人物ですが、著者は、そういった従来の著作との重複を巧みに避けてお李、戦後の知られざる歩みや(例えば、堀栄一氏が郷里の村で村長になった経緯や在任中の活動を、私はこの本を読んで初めて知りました)エピソードを織り交ぜつつ、今日的観点から人物論を展開していて、令和の時代にふさわしい参謀論であると感じるものがありました。

この世に戦い、競争がある限り、参謀、参謀的な役割がなくなることはないでしょう。そして、その判断、活動が戦い、競争を勝たせも負けさせもするのも、また事実です。昭和の参謀は日本を勝利へと導くことはできませんでしたが、彼らから教訓を導き出すことは、再びの敗戦、敗北を避けるために有用、必要でしょう。戦後77年目の夏に、読まれるべき1冊だと思います。