「合戦で読む戦国史 歴史を変えた野戦十二番勝負」

 

陸上自衛隊の部内誌に連載されたものが書籍化されたということで、陸戦のプロの陸上自衛隊員の閲読にも耐える、しっかりしたものだろうと思って読んでみました。予想通り、なかなかおもしろい内容でした。

史実に基づくとどうだったかといった、過度に細かい話に分け入らず、最新の研究結果を適切に踏まえながら、軍記物などで言われていることは言われていることとして割り切り、著名な合戦を紹介し、ポイントや勝因、敗因がわかりやすく指摘されていて、とても参考になりました。

感じたのは、陸戦というののは、単に戦力だけでなく、状況状況の中での、敵味方双方の思惑、読みや偶発的な事象が大きく影響し、勝利も敗北も紙一重のことが多いものだなということでした。とはいえ、博打的な決戦をやっていては、長続きはしないだろうし、十分な戦力、火力を集中的に運用して勝てる態勢をいかに作っていくかが重要なのだろうということも改めて感じるものがありました。

私のような素人にもわかりやすく、この種の本が好きな人にはお勧めです。