(MONDAY解説)憲法9条に自衛隊明記 なぜ改憲、尽きぬ疑問 豊秀一

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180305-00000001-asahik-soci

1月24日の衆院本会議で安倍晋三首相は、「自衛隊員たちに『君たちは憲法違反かもしれないが、何かあれば命を張ってくれ』と言うのはあまりにも無責任」と述べ、憲法9条への自衛隊明記が必要だと訴えた。

法令の解釈については、賛成、反対がつきまといがちです。仮に、9条2項を残したままで、自衛隊憲法上明記したとしても、明記された自衛隊が、2項で禁止された「戦力」ではないかという反対論は残るでしょう。その意味で、「君たちは憲法違反かもしれないが」と言われる余地は残りますから、それが無責任だというのであれば、無責任と思う人は首相や閣僚、国会議員をやめるしかないでしょう。
それはともかく、私自身は、9条改正について

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20180130#1517311596

のように考えていて、改正が必須とは考えていません。
ただ、自衛隊のような巨大な武力組織について、憲法上、何ら規定がないのは、民主的統制という点で全く問題がないわけではありませんし、私案のように、1項、2項はそのままにした上で、

前2項の規定は、自衛権行使及び国民救援のため、武装した規律ある実力集団を保有することを妨げない。その集団は、平和を維持する目的の下、国際社会において確立された規範に基づき国際組織の管理下において、前2項に反しない範囲内で活動することができる。

とすることで、そのような「実力集団」の位置づけが明確になるメリットはあると思います。
なお、すべての国家組織は行政権を担う内閣の下にあり、そのような実力集団も内閣の指揮命令下にあるのは、憲法上、当然ことですから、敢えて文民統制を9条に書き込むことまで必要とは、私は考えていません。