昨年、「最後の海軍大将」井上成美氏について、残っていたインタビューに関する報道があって、久しぶりに、これを読み直してみました。
井上氏は、戦後、神奈川県内に隠棲し、近隣の子供に英語を教えるなどして後半生を送り、その生き方も、かつて話題になったことがありました。年配の人で、ああ、あの人と思い出す人も少なくないでしょう。
本書では、終戦までの井上氏の歩み、戦後の生き方、言動を丹念にたどっており、いわゆる「海軍善玉論」に属するものではありますが、海軍内の問題点にも目が向けられてはおり、井上氏のような海軍良識派を生かせず敗戦へと進んでしまった日本の誤りが浮き彫りにされていることを改めて強く感じました。
歴史は繰り返すと言いますが、今の日本も、いつか来た道をまた歩んでいるのかもしれません。歴史に学ぶ重要性を痛感しました。