本書では、帝国海軍の提督達の遺稿・小柳資料中でインタビューされている旧海軍の将官の述懐を、昭和史に精通した著者らが紐解いていて、私自身、小柳資料は以前に入手していたもののまだ読めていなかったので、先にこちらを読んで参考になりました。
感じたのは、人により自己弁護が強かったりまずいことを語っていなかったりといったことが多々、あったようで、こういったインタビューに接する際には注意すべきことだと思いました。
かつては、陸軍悪玉、海軍善玉論が幅を利かせていたものでしたが、本書でも紹介されているように、海軍内も一枚岩ではなく、無謀な日米開戦へ向けて誤った方向へ国を引っ張っていた人々、勢力も確実にいて、単純に海軍善玉と見るのは誤りということが、本書を読むと改めてよくわかります。
著者中の半藤氏は、最近、亡くなりましたが、これだけの博学な人が亡くなったのは実に惜しいことだと思いました。