元勤務医に無罪判決「虚偽と認定するには疑い残る」 京都地裁

元勤務医に無罪判決「虚偽と認定するには疑い残る」 京都地裁(京都新聞) - Yahoo!ニュース

齋藤裁判長は、組長の腎移植後の心機能は正常だったと認定したが、「過去の検査結果や自覚症状から、心臓突然死の危険がある心室不整脈と判断したことが真実に反すると断ずるには、合理的疑いが残る」と述べた。
腎移植前の過去の診断結果を、時期を明示せずに用いた点は「不適切だった」としたが、直ちに結論が事実に反するとはいえないとした。収監を逃れたい組長の意図を理解し、金品を受け取っていたと検察側が主張した動機についても、「そのような動機があるとしても、虚偽回答を推認させる力は極めて弱い」と退けた。

 医師による診断は、専門的見地に基づく、様々な事情を勘案した上でのもので、事実そのものだけでなく事実を前提とした評価も含まれますから、そもそも裁量の幅が広く、それを「虚偽」とまで断定するのは構造的に難しい(全くの嘘をでっち上げるようなものはともかくとして)と思います。

その意味では、記事によると他の被疑者2名は不起訴になっているということも見ると、捜査としていささか無理筋であったのではないかという印象を受けますし、起訴時点で、問題性がどこまで慎重に検討されていたのか疑問も残ります。

この種の事案を今後、捜査、起訴する上で参考になるケースになりそうです。