ドラマ「どこにもない国」

http://www4.nhk.or.jp/P4600/

終戦後、旧満州に取り残された150万を超える日本人の帰国を実現に導くためにわが身を捨てて奔走した男たちがいた。
国家から見捨てられた同胞を故郷に帰すための命がけの戦い、そしてそれを支えた妻たちの愛。複雑怪奇な国際情勢に翻弄されながら、奇跡とも言われた引き揚げ、どのようにして実現に至ったのか―

先日、執筆中の小説の取材も兼ねて、長野にある

満蒙開拓平和記念館
https://www.manmoukinenkan.com

に行ってきたのですが、今年の3月にNHKで放映された上記ドラマを観そびれていて、NHKオンデマンドで観ることができました。
満蒙開拓平和記念館は、先に、天皇皇后両陛下が訪問されていて、旧満州等の地で果て、また、苦労して引き揚げた多くの人々にお心をおかけになっている両陛下に深く頭が下がる思いを抱きつつ、厳粛な思いで見学しました。
ドラマでは、旧満州の地に取り残された多くの人々を帰還させるため懸命に動いた人々やそれを支えた人々の姿が赤裸々に描かれていて、今の日本が、多くの人々の犠牲や献身的な努力の上にあることを改めて強く認識しました。
このドラマに関連して、

も買って読んでいるのですが、ドラマだけでなく旧満州についてコンパクトに紹介され、満蒙開拓平和記念館の簡潔なガイドにもなっていて、長く手元に置いておこうと考えています。
誤れる国策が、日本が占領した多くの地で様々な人々を虐げ、また、満蒙開拓団のように国を信じて彼の地へと身を投じた人々に多くの犠牲を出して、戦後、日本は焼け野原の中から再出発しました。そして、二度とそのような悲劇を起こさないという願いを込められてできたのが日本国憲法でもありました。そのような歴史を、歪曲したり修正しようとするのではなく(そんなことはそもそもできないことですが)、謙虚に、客観的に見つめ、再び同じ過ちを繰り返さず、近隣諸国とも友好関係を取り結んで行くことは日本の国是と言っても過言ではないでしょう。そして、そのことを最も望んでいるのは、望郷の念を抱きながら遠い異国の地で倒れた人々なのだろうと、しみじみと思っています。