感じられる気象の大きな変化、それに対する対応

広島で大規模な土砂災害が発生し、多くの犠牲者や行方不明者が出て甚大な被害が発生していますが、その原因になったのは、かつてないほどの雨量の集中豪雨でした。こうした、かつて見たことがないような集中豪雨は、日本各地で発生し、大きな被害を引き起こしています。
振り返ると、今年に限ってみても、2月には首都圏などで、信じられないほどの大雪が降り東京都内でも1メートル前後の積雪がありました。この夏も、事前には冷夏ではなどと予想されていましたが、実際には連日30度を超える猛暑になってしまい、熱中症で倒れる人、中には重症、死亡する人も出ています。
こうした状況について考えてみると、その原因は気象に素人の私にはよくわかりませんが、日本の気象が(世界の、かもしれませんが)、10年前、20年前とは、大きく異なって新たなステージに入ってきているのではないかということを強く感じます。
原因がよくわからないにしても、そういった現象は身をもって感じられるわけですから、例えば、山のそばに住んでいるが今まで土砂崩れなど起きたことがないから大丈夫だろう、とか、冷房なしで今まで夏は過ごしてきたしエアコンは身体に悪いからこの夏も扇風機だけで大丈夫だろう、といった、「経験」のみを前提としての、従来と同様の過ごし方では、大きく失敗する可能性が高くなっているということではないかと思います。今までに無い集中豪雨になれば裏山が崩れたり近くの河川が氾濫、決壊するかもしれない、今までは冷房なしで過ごしてきたが適切に使用しないと熱中症で取り返しがつかないことになるかもしれない、などと、経験に拘泥せず、変わってきたもの、変わりつつあるものに目を向けて、個々の生活や住まい方などを必要に応じて積極的に見直す必要があるでしょう。
こういったことは、個々の努力だけではなかなか十分なものになりにくい面があり、行政としても、そういったことに予算をつけ人もつけて、適切な情報をどんどん提供し、危険なことがあれば、こういう危険がありますよ、それを回避するためにはこうすべきですよ、といったことを強く周知させる努力をしなければならないということも感じます。
気象の大きな変化に対して、それ自体は人間の力ではどうすることもできませんが、たとえ身一つになっても生き抜くために、できる措置は最大限に講じる、そのための個々の意識改革、具体的な取り組みが、今後はさらに求められるということを痛感します。