東京オリンピック

昭和39年に行われた東京オリンピック当時、私は、生後半年くらいで、この目でオリンピックをリアルタイムで見たという記憶はありません。ただ、残っている映像を見ると、出てくる人々の晴れがましい表情、開会式に臨まれた昭和天皇の実に嬉しそうな笑顔が印象的です。終戦後19年、国土が焦土と化し海外にあった膨大な資産も失い再スタートして、僅か19年でここまで到達したことに、おそらく多くの人々が喜び感慨に浸っていたのでしょう。新幹線も開業し、正に奇跡と言うしかない復興であったと思います。
その後の日本は、更なる経済成長、バブル経済期、その崩壊と低迷期を経て、現在に至っています。そこで、7年後に再び東京オリンピックが開催されることになりました。首相は、デフレを克服すると意気込んでいるようですが、荒廃した国土を復興する、といったかつての目標に比べスケールは小さく、また、日本の状況も、国の巨額の債務、増税問題、東日本大震災の復興問題、原発事故への対応など、オリンピックで浮かれてそれに集中していればよいという状況にはありません。7年後に、我々は、かつての東京オリンピックのように、国の発展を確信しつつ晴れがましくオリンピックを迎えられるのでしょうか。