暴力団なんかメじゃない 「西の半グレ」ミナミを蠢く

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121103/waf12110307000000-n1.htm

その内容は、振り込め詐欺貧困ビジネスヤミ金融、出会い系サイトなど。やっていることは暴力団とあまり変わらないが、半グレの場合、出身者の多くは暴走族やチーマー、地元の不良少年などで暴力団に籍を置いたことはないため、暴力団対策法などによる摘発が難しいが現状だ。

ネオン街に突然現れ、思いのままに振る舞う半グレ。暴力団をもしのぐといわれる凶悪な勢力の実態は、今もなお、謎に包まれている。

現在の「暴力団」には大別して3つの系統があって、戦前からの流れを引く博徒系、的屋系の集団に、戦後の焼け跡、闇市の中で生まれた愚連隊系の集団が加わり、離合集散を経て現在に至っています。山口組や、広島にある「仁義なき戦い」のモデルになったことでも有名な共政会は、愚連隊系の暴力団組織です。
こうした、反社会的集団は、組織化されることにより、警察当局が実態を把握できないような集団(上記の記事にある半グレ集団のような)を排除、あるいは系列化して取り込み、また、行う「悪」も合理化され、かつ、元々、民族運動を行う集団との親近性も強く、悪の利権を守ろうという意識も手伝って、外国の反社会的勢力の無法図な進出への抵抗勢力として機能してきた面もあるでしょう。そして、警察当局も、そうした、組織化された悪を一種の「必要悪」として、微温的な対応をしながら治安対策に利用してきた面もあったわけです。例えば、抗争が起き事件になった場合、警察が暴力団に犯人を出頭させるよう求め、それに応じて暴力団が「犯人」(その中には真犯人かどうか疑わしい者が含まれることもありました)を出頭させ(犯行に使用されたけん銃を持たせたりして)、警察も、組織の中枢にまで及ぶような徹底的な追及まではしない(一種の司法取引のようなものですが)といったこともかつてはありました。
そういった微妙な均衡、暴力団との警察当局との微妙な相互依存関係が徐々に崩壊する切っ掛けとなったのが、平成3年に成立し平成4年に施行された暴力団対策法であり、その後、一定の効果は挙げつつも、上記のような微妙な均衡等が崩壊して、上記のような、まったく警察当局のコントロールが効かない反社会的勢力が跳梁跋扈する、という事態も招いています。
私は、かつては、暴力係検事として、徹底的に暴力団犯罪を対峙したこともあり、暴力団という存在やその行動を擁護する意図はまったくありませんが、人の世で、こうした反社会的勢力が根絶されたことはなく、その時々の治安対策の中で、かつての暴力団と警察当局との関係のように、微妙な相互依存関係も持ちつつ治安を維持してきた、という歴史も存在しているのは否定しようがない事実です。そうした、微温的な治安対策ではなく、悪と徹底的に対峙する、まったく妥協しないという治安対策を選択するのであれば、もはや後戻りはできず、上記の記事にあるような半グレ集団、得体の知れない外国人犯罪集団等々に対しても、膨大なマンパワー、労力を振り向けることを覚悟し、徹底的に実行しなければならないでしょう。それは、日本が警察国家へと進む道を開くことになるかもしれず、国民も、様々な人権への制約(街中が監視カメラだらけになるなど)を甘受しなければならなくなる可能性もあって、長く遠く辛い道を歩くようなことになります。そこは、腹をくくり耐えなければならない、ということに、現状の方向性を維持するのであれば、なると思います。