法王「沈黙を大切に」 検索サイトやSNS依存に警鐘

http://www.asahi.com/international/update/0131/TKY201201310469.html

「世界コミュニケーションの日」に向けたメッセージ。法王は「答えを探す多くの人」が検索エンジンソーシャル・ネットワークを多用していることを指摘。「途切れることのない問いは、人々の落ち着かなさを表している。うわべだけの意見交換では人々は安らげない」とくぎを刺した。

私のような年齢でネットを使い倒している人間は、「インターネット前」と「インターネット後」の双方を知っているわけですが、昔は、今よりも紙の情報を読んでいる時間が長く、今は、インターネットに接している時間が長くなった分、紙の情報を読んでいる時間はかなり減ったように思います。しかし、読む量の総体は、今のほうがはるかに多いでしょう。それだけ、インターネットで接する情報量には膨大なものがあります。
昔は、紙の情報のメインは書籍(雑誌等も含め)を通じたもので、じっくりと読む、というスタイルであったように思いますが、確かに、今は、細切れの情報が次々と入ってくる、というスタイルに傾斜している面があります。そういった面は、法王指摘の「落ち着かなさ」「うわべだけの意見交換」につながる性格を持っているのかもしれませんが、情報受発信のスタイルの変化をもって、即、軽薄さやうわべだけのものになった、とは即断できないでしょう。ただ、粘り強く考え抜く力、深みのある思考力、といったものは、細切れの情報に追われているだけではつきにくい面があるのも確かで、こういう時代であるからこそ、意識して、じっくりと考える時間を作る必要はあると思います。
多種多様な情報に接することができるだけに、臨み方、姿勢といったことにも、より工夫が必要になった、という気は私もしています。