実刑と執行猶予の中間導入…刑法改正案を提出へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111004-00000021-yom-pol

一部執行猶予制度は、実刑と執行猶予の間の中間的な処遇として導入する。刑務所に初めて入る人のほか、3年以下の懲役や禁錮の判決を受ける薬物使用者に適用することを想定している。同省は、出所後も保護観察を続けて社会の中で受刑者の更生を図ることで、再犯防止を期待している。

私は、刑事弁護を手掛けることが比較的多い弁護士ですが、実刑判決が確定し服役する人について、この人がこれだけの刑期、服役しなくても十分に更生できるのに、と思うことがあります。服役する場合に、本人にとって最も気になるのは、どの程度の期間を経て仮釈放になるかである場合が多いものですが、予め、ここまで服役すれば出られる、ということがわかって、見えていれば、服役に対して、前向きな気持ちになって頑張れる、という人が増えるでしょう。
そういった意味で、また、処遇の個別化、多様化という観点からも、上記のような制度改革は望ましいものと思いますが、課題は、出所後のケアで、そこをいかにうまく充実させられるかどうかが、その後の更生へと結びつくかどうかを分けることになるはずです。
法律実務家になろうとしている人、既になった人で若手の人は、こういった刑事政策の分野にも、是非とも目を向け関心を持つようにしてもらいたいと思います。