放火未遂裁判員裁判 国民目線の判決文 評議の経過詳述

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100616-00000057-san-soci

判決は、薬物依存の兆候がある被告について「執行猶予として薬物更生施設で被告が生活を営めるかは疑問」として実刑を求める意見があったことを明らかにするなど、執行猶予の可否について評議で意見が分かれたことを指摘。その上で、保護観察とすれば公的サポートを得られることなどから、執行猶予としたことを明らかにした。
ほかにも、各段階で裁判員の間に少数意見を含めてどんな意見があり、どう結論に至ったのか、従来の判決に比べ詳述した。

どこまで定着するかどうかはわかりませんが、1つの試みとしては興味深いものがありますね。
判決には、単に裁判所の判断を示すだけでなく、感銘力、つまり、被告人をして自らの行いを反省させ犯罪から遠ざけるだけの力というものが、やはり期待されていると言えるでしょう。その意味で、従来の判決には、判決に至るプロセスが明らかにされていない(最高裁では少数意見も明らかにされる仕組みになっていますが)ことで、なぜそのような判決に至ったかがわからず、不信を招くということも少なくなかったということは言えると思います。
ただ、プロセスが明らかになれば感銘力が出るか、というと、かえって不信を増大させる可能性もないとは言えず、そのあたりが、こういった試みが今後、定着するかどうかの分かれ目になりそうな気がします。