https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170921-00000051-mai-soci
検討されることになるとみられる「ドラッグコート」は、薬物犯罪者に刑罰ではなく、薬物離脱プログラムを提供する「治療」を施すもので、仮に現実化すれば刑務所を中心とした日本の刑事政策の転換につながる。
私も、検事、弁護士として、薬物犯罪を犯した人は多数見てきましたが、依存性が浅い状態で執行猶予付きの有罪判決を受けてそれを機に立ち直る人がいる一方で、薬物犯罪、服役を繰り返す人が多数いて、従来の刑罰制度は、後者を、単に服役させて懲らしめているだけで再犯防止という点では無策でした。反省する、しないという以前に、こういうものは一種の病気ですから、原因に対して効果的な手を打たないと再犯は減りません。
刑務所での服役か、治療を重視した外部交通も可能な施設での処遇かを選択できるようにしておいて(誰がどのように選択するか検討すべきですが)、後者の場合、引き続き仕事をしながら収容先で徹底した治療が行える、そういう制度が構築されることが社会にとっても個々の人々にとっても望ましいと思います。