<覚醒剤>全国初の一部執行猶予判決 千葉地裁 懲役2年うち半年猶予

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160602-00010002-chibatopi-l12

懲役2年の実刑とし、そのうち6カ月については保護観察付き執行猶予2年とする判決(求刑3年)を言い渡した。同制度の適用は全国初とみられる。

制度の概要は、

刑の一部執行猶予制度、あす開始 薬物事件など対象
http://digital.asahi.com/articles/ASJ5Z5GZ1J5ZUTIL03G.html

対象は、3年以下の懲役刑か禁錮刑で初めて実刑になる人か、薬物事件で実刑になる人。薬物以外にどんな事件が対象になるかは定めがなく、今後の裁判所の判断に委ねられている。執行猶予期間は、1〜5年の範囲で決められる。
現行では、満期で出所した後の支援はない。新しい仕組みでは刑の途中で執行猶予期間に入り、刑期を過ぎても保護観察所や保護司の指導を受けられる。
刑期の7〜8割程度を服役させ、残りを執行猶予とするなどのケースが考えられるという。これまでも、刑期の8〜9割に達した時点で「仮釈放」となる例はあった。新制度では同じ刑期でも服役期間が短くなる可能性がある一方、出所後の支援は刑期より長く受けられることになる。

と説明されているようなものですが、従来、実刑判決を宣告されればその刑期全てを(仮釈放制度はあるものの)務めなければならなかったのが、一部を執行猶予とし社会内での更生の機会が与えられるようになったことで、そういった処遇がより適切な対象者に合った処遇ができるようになったメリットがあります。
特に、今後の適用が多いと言われている薬物犯罪では、一部執行猶予の期間は保護観察が必須とされていますから、保護観察制度の中で適切な処遇が行われることによる成果が期待できるでしょう。
ただ、保護観察に携わる人々が急に大きく増えるわけではなく、また、社会内での様々な人、組織の協力が得られないと「画餅」となりかねませんから、この制度をうまく活用できるような環境整備が強く求められていると思います。
再犯対策は刑事政策における古くて新しい、重要な課題ですが、作った仏に魂が入れられるように、国民の理解を得つつ関係者が努力する必要性を痛感します。