崩壊・特捜検察:/6止 「看板プレッシャー、無理に事件化」指摘も

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101010ddm041040082000c.html

検察史上、前代未聞の不祥事で、特捜の解体論も浮上している。佐賀前副部長と同期の元検事、落合洋司弁護士(46)は「特捜部の看板を出しているから『事件をやらないといけない』という強烈なプレッシャーの中で、無理に事件化していく危険性がある。特捜の看板は下ろしたほうがいい」。

最近、方々で聞かれて同じことを言っているのですが、私の場合、単純な特捜部解体論ではなく、一般の刑事事件(主として警察から送致・送付された一般の刑事事件を扱う)とは別に、特殊性が高い事件を扱う、現行の制度では地方で「特別刑事部」として存在している機能を存続させて、その中で、現在の特捜部が手がけている知能犯事件だけでなく、公安事件や裁判員制度対象事件等を扱うべき、と言っています。
検察庁が対処すべき、特殊性が高い事件は多方面にわたっていて、その時々で、はじける事件も異なるので、内部で緩やかなグループ制を採用しておいて、必要に応じグループの枠を超えて人を投入できるようにしておくべきでしょう。暴力団が経済犯罪を犯し、その過程で殺人事件も犯す、といったことが当たり前のように起きる時代に、情報を統合、集約して機敏に対応すべき検察庁が、公安部だ、特捜部だと、縦割りで臨み、特捜部在籍が長いと一般刑事や公安、公判等がわからなくなるような現状は、今回のような証拠改ざん、犯人隠避事件が起きなくても、元々、改められるべきであったと思います。
事件というものは、ないときもあるし、できないものはできないもので、自分たちは特捜部だから何か事件をやらなければならない、実績をあげなければ、といった呪縛から解放され、刑事司法というものに、広い視野と健全な感覚で臨む組織へと脱皮すべきで、そうした中で確固たる実績を積むことで、失われた信頼を取り戻せる日も、いつかはやってくるでしょう。