刑事控訴審の理論と実務

刑事控訴審の理論と実務

刑事控訴審の理論と実務

発売の後、少ししてアマゾンで注文したところ、一時的に品切れになっていましたが、ちょっと前に届き、拾い読みしているところです。丁寧で読みやすく、こういった分野の類書は極めて少ないので、今後、いろいろな人によって参照される機会が多くなると思います。
刑事の控訴審は、事後審という性格を持ち、1審とは考え方もやり方も大きく異なるので、当事者としても理論面について考えて臨まないと、何もできずに終わってしまう、ということになりかねません(実際、そういうことはよく起きるものです)。
私の場合、ヤフー株式会社と弁護士業務の双方をやるようになってからしばらくの間は、事件の依頼もあまりなくて、控訴審の国選事件を比較的多くやっていましたが、高裁の記録閲覧室で一件記録を読んだり、東京拘置所へ接見に行って被告人の話を聞いたりする中で、生じがちな問題点や、1審で漫然とスルーされてしまっていた問題を控訴審で新たに取り上げて問題にする難しさといったことを痛感することがよくありました。その意味で、特に若手の弁護士は、刑事控訴審の事件にも、面倒がらずに取り組んで、やや高い所に立って事件を見るということもやってほしい気がします。
そういった様々な機会に、この本は役立てられることになるでしょう。