債務整理、一部を「外注」 実績最大の法律事務所

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010042401000511.html

依頼者からの聞き取りなど業務の一部を外部に委託していた

事務所職員が弁護士らの指揮監督下で一部を担うことはあるが、日弁連多重債務対策本部の新里宏二事務局長は「委託先が指揮監督下にあるか非常に疑問。弁護士法に触れる恐れもある」と指摘している。

弁護士法72条では、

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

と定められていて、上記の記事にある委託先が、業として法律事務を取り扱っているという実態があれば、72条の問題が生じる可能性はあるでしょう。違法かどうかの問題だけでなく、依頼者からの聞き取りのような業務を内部で行わず外部に委託して、適正なサービスを責任をもって提供できるのかという疑問もあるでしょう。
弁護士が行う法律事務というものは、本来、手間がかかるものでそれだけに高コストになりやすい傾向はあり、コストカットを進める努力はすべきですが、行き過ぎれば弁護士法や弁護士倫理が要求する水準を割り込んでしまう恐れもあって、なかなか難しい面があります。
ただ、レベルの低下は避けなければなりませんが、現在、要求されている高い水準というものが、真に依頼者、国民のためになっているか、実害がなくコストカットにつながるのであれば要求水準を緩和してもよいのではないか、ということも、今後、考える必要はあるのではないかと思います。