細川ガラシャ―散りぬべき時知りてこそ (ミネルヴァ日本評伝選)
- 作者: 田端泰子
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2010/02/01
- メディア: 単行本
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アマゾンで注文したものが届いたので、興味あるところを拾い読みしているところです。細川ガラシャの、悲劇的でありながらも劇的で、華やかさも感じられる生涯が紹介されているとともに、時代背景についても丁寧に書き込まれていて、私にとっては、背景のほうもかなり参考になるという気がしています。
特に、細川ガラシャの死の前に起きた豊臣秀次事件で、秀次から多額の金を受け取っていた細川ガラシャの夫の細川忠興が危うく連座しかけた際に、徳川家康のおかげで救われたことが、細川ガラシャに、関ヶ原合戦を前にして東軍武将の家族を人質にとるという西軍の企てを死という強硬手段により阻止する道を選択させたことがよくわかりました。明智光秀の娘として生まれ、平和で幸福な生活が、本能寺の変、その直後の明智光秀の敗死、明智家の滅亡で一変し、細川家の庇護の下、辛うじて生きながらえた細川ガラシャとしては、細川家が存亡の時にある中、一命を捨てることで細川家にとって最大の利益が生じるようにしたものと思われ、その当時から「義死」として人々から称賛されたということが、この本を読んでいて改めてよくわかるように思いました。
辞世の句である「散りぬべきとき知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ」に込められた意味が、より鮮やかに感じられてきました。