検察側、無罪論告へ=きょう結審−足利事件再審公判・宇都宮地裁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100212-00000012-jij-soci

検察側が無罪論告し結審する見通し。
論告の後、弁護側の最終弁論に続いて菅家さんが意見陳述する。判決期日は3月26日に指定されている。 

過去の冤罪事件は、その多くが自白事件(公判で否認に転じるのがほとんどですが)で、自白以外にめぼしい証拠がない場合とある場合があって、いずれの場合でも自白の任意性、信用性が激しく争われてきたものでしたが、足利事件の場合は、自白以外の証拠(DNA鑑定)の誤りが後に判明し、自白の任意性、信用性を問題にするまでもなく(実際には問題になっていて、それは、証拠構造とは別の問題として重要なことですが)冤罪であることが明らかになりました。数少ない、後に真犯人が判明した場合と並んで、珍しいケースであり、特に、DNA鑑定という、最新の科学技術の成果が誤っていたということで、日本の冤罪事件の歴史上、特異な、特筆すべき事件と言えると思います。
導かれる教訓としては、客観的に間違いがないと考えられる証拠であっても、人による過誤や誤認、といったものが介在する恐れは常にあり、決定的な証拠であると取り扱われるようなものであればあるほど、慎重な検証が必要で、これはどうもおかしいという感覚が生じた場合は、その感覚を安易に捨てず大切にしなければならない、ということでしょう。