ロッキード事件「中曽根氏がもみ消し要請」 米に公文書

http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY201002110364.html
http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY201002110364_01.html

ロッキード事件は76年2月4日に米議会で暴露されたが、ロ社の裏金が渡った日本政府高官の名前は伏せられた。
与野党いずれも政府に真相解明を要求。三木首相は2月18日、「高官名を含むあらゆる資料の提供」を米政府に要請すると決めた。
文書によると、中曽根氏はその日の晩、米国大使館の関係者に接触し、自民党幹事長としてのメッセージを米政府に伝えるよう依頼した。中曽根氏は三木首相の方針を「苦しい政策」と評し、「もし高官名リストが現時点で公表されると、日本の政治は大変な混乱に投げ込まれる」「できるだけ公表を遅らせるのが最良」と言ったとされる。
さらに中曽根氏は翌19日の朝、要請内容を「もみ消すことを希望する」に変更したとされる。文書には、中曽根氏の言葉としてローマ字で「MOMIKESU」と書いてある。中曽根氏はその際、「田中」と現職閣僚の2人が事件に関与しているとの情報を得たと明かした上で、「三木首相の判断によれば、もしこれが公表されると、三木内閣の崩壊、選挙での自民党の完全な敗北、場合によっては日米安保の枠組みの破壊につながる恐れがある」と指摘したとされる。

当時は「政府高官」(その表現が頻繁に登場し一種の流行語になったほどでしたが)が誰かを巡り日本中が騒然とした状況になったことが思い出されますが、中曽根氏は、いち早くそれが故・田中角栄氏らであることを察知し、記事にある「もみ消し」へと機敏に動いたということになりますね。自民党幹事長の動きとしては十分あり得ることであり、米国の公文書による裏付けがある以上、事実と見てよいでしょう。
ロッキード事件については、主任検事であった吉永祐介氏も語らず、当時の検事総長であった布施健氏も語らないまま逝去し、今後、新たな事実が判明するとすれば、上記の記事のように、米国で公開されるに至った情報から、ということになるのかもしれません。