株誤発注裁判の判決に6割が疑問、ITpro緊急調査で判明

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20100108/343009/?ST=ep_growth&P=1

一つ目は、東証の株式売買システムに、ある条件下で注文を取り消せない不具合があったことについてである。この点について、一審判決では「それだけでは東証の重過失には当たらない」とみなされた。この判決に対して、回答者の57%が「判決は妥当でない(重過失に当たる)」と答えた(図左)。「判決は妥当(重過失ではない)」と答えた人は37%にとどまった。

二つ目の質問は、東証が株式の売買を停止しなかったことについてである。これを「東証の重過失に当たる」とした一審判決について、515人のうち80%が「妥当(重過失に当たる)」と答えた。「重過失ではない」との回答は15%だった(図右)。
二つの結果からは、ITプロフェッショナルが、システムを使ってサービスを提供する立場の東証に、厳しい目を向けているという傾向が見て取れる。

昨年、1審判決が出て話題になった誤発注事件についてのアンケート結果ですが、「注文を取り消せない不具合」について、裁判所よりも厳しい見方が出ていることが注目されますね。記事では、回答者の様々な意見も紹介されていて、この問題を多面的に見て行く上で参考になります。
最高裁の量刑データベースでも同様の問題があると思いますが、システムを利用するのは人間で、人間はミスをするものですから、利用する人間が使いやすい、ミスをしてもどこかでバックアップして重大な過誤につながらないようにする、そういうシステムが開発されなければならないでしょう。
これだけ巨額の損失が発生し、法的紛争になるのは不可避とは思いますが、最近、読み始めている

ヒューマンエラーは裁けるか―安全で公正な文化を築くには

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では、裁判で過失の有無について熾烈に争い黒白つけるということは、再発防止にとってプラスにはならないことが力説されています。確かに、誤発注事件が最終的に上告されたとして、それを裁く最高裁は、量刑データベース1つ満足なものを作らせることができないわけですから、その判断に多くは期待できないような気もします。
この裁判の中で明らかになってくる様々な事情を、できるだけ社会へフィードバックし、より使いやすい、安全で過誤が防止できるシステム作りということへ繋げて行く、そういう流れになることを期待したいと、記事を読んで思いました。