[オピニオン]検事と犯人の取り引き

http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2008123130698

韓国・東亜日報の記事ですが、司法取引について論じられています。

林采珍(イム・チェジン)検察総長が10月に、プリーバーゲニングの必要性を力説したのに続き、金慶漢(キム・ギョンハン)法務部長官は、新年業務報告で、免責条件付き供述制度を導入すると述べた。公務員の収賄事実を知る関係者が証言すれば、供述者の量刑を減免するというものだ。特に、贈収賄の罪は、両者が口をつぐめば、物的証拠を見つけることが容易ではなく、捜査は難航する。最近の「盧建平(ノ・ゴンピョン)ゲート」や公企業捜査でも明らかになったように、増収賄の手法がますます巧妙になる傾向があり、検察の困難は十分に理解できる。

犯罪者との量刑取り引きは、何よりも正義観念に反するという弱点がある。ややもすると、科学捜査よりも交渉に力を入れる悪しき風土を生み、密室交渉で検察に対する信頼を墜落させる危険もある。罪と罰の比例の原則や「同じ犯罪に異なる処罰」という公平性の問題に対する論議を呼ぶ恐れがある。そのような制度よりも、「刑事コロンボ」のように、徹底的に証拠を探し回る検事が多くなってこそ、この国の検察が生きる。

私自身は、既に本ブログで何度かコメントしているように、こういった制度を日本でも導入する必要性を強く感じていますが、古い法学教育(現在のような「進んだ」ロースクール制度などではなく)を受け、古い検察庁の考え方(現在のように事件をその辺のリンゴやバナナのように取り扱うのではなく)による教育を受けた人間なので、最後の、「徹底的に証拠を探し回る検事が多くなってこそ、この国の検察が生きる。」というところには、強烈な共感を覚えますね。
とはいえ、今後、日本でも、こういった制度の導入(既に独禁法の分野では自首による課徴金の減免といった形で一部取り入れられていますが)ということが、ますます議論、検討されるようになることは確実でしょう。