女性殺害は“捜査怠慢”判決で警視庁が控訴へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081121-00000561-san-soci

訴訟では、平成16年に元交際相手の男らに監禁・殺害された小出亜紀子さん=当時(24)=の両親らが、事件前に警視庁多摩中央署に相談したにもかかわらず「警視庁が捜査を怠った」として損害賠償を求めていた。東京地裁は11月7日に「必要な捜査をしていれば殺害を回避できた可能性が高い」として、小出さん殺害と初動段階での捜査怠慢の因果関係を認め、請求通り2000万円の支払いを命じていた。

私が刑事事件について弁護士として関わる場合、被疑者や被告人の弁護をする場合と、被害者やそれに類する人々に依頼され告訴、告発側に立って動く場合と、大きく分けて2通りあります。その後者の場合に特に感じることですが、捜査機関の人手不足がひどくて、既にやっている事件はなかなか進捗しないし、これからやろうとする事件についても、先に手をつけている事件がなかなか処理できないので、後手後手に回ったり、やるべき事件をやらずに済ませようとする、といったことが、日本全国で無数に起きているのではないかと思います。
まずは、マンパワーを確保する、必要に応じ、増員とか退職者の活用なども考慮する、ということを、お座なりでなく積極的に進めないと、捜査機関関係者はどんどん疲弊し、意図的な怠慢かどうかはともかく、やるべきことをやらない、といったことも頻発して、中には上記の記事にあるような取り返しがつかないことも起きる、ということにもなりかねないでしょう。
「怠慢」を責めるだけでなく、この問題にはそういった側面があることにも留意すべきではないかと思います。