歌舞伎町火災 5人有罪 『ビル防火管理怠る』

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008070202000242.html

最高裁判例は大規模火災で責任を問える主体として、起訴された者のうち(1)建物、テナントの代表取締役(2)実質的経営権のある者(3)権限のある防火管理者−などを認めてきた。
今回、有罪となった被告五人はいずれかに当てはまるが、これまでの判例はデパートやホテルの大規模火災が対象で、雑居ビルでの判例はなかった。権利関係が複雑な雑居ビルで、出火原因が放火の可能性が高いとしても、建物、テナント双方の経営側に防火責任を認めた東京地裁の判断には、大きな意義がある。

過去の判例では、確かに、デパート、ホテル等々、管理関係の指揮命令系統が単一またはそれに近い場合がほとんどで、その中のどの関係者を、また、どこまで上に突き上げて責任を問うのか、ということが問題になってきた傾向があったように思います。この事件のように、過失の競合という状況の中、複数の指揮命令系統が問題になって、という事例は珍しく、今後、上訴を経て確定した後には先例として重視される可能性が高いでしょう。