日本刑法学会・第86回大会(神戸ポートアイランド国際会議場)に参加して

一昨日、昨日と、上記大会に参加してきました。途中で、会場を抜け出し本を買ったり散歩したりもしましたが、実務家である私としては、こういった場に参加し、何がどのような形で問題になり議論されているか、といった流れをつかむことが主目的なので、そういった目的は今年も達成できたように思います。
2日目午後に、ソウル大学校法科大学院の申東雲氏による「韓国における刑事司法の改革」というテーマの講演がありましたが、韓国の刑事司法改革において、捜査の透明化、可視化が図られ、日本よりはかなり先を行っていることが紹介され、また、日本の裁判員制度に類似した「国民参与裁判」制度が導入され、裁判員制度とは異なり陪審員型が導入され、司法権の独立を尊重する観点から評決に拘束力はないものの、評決と異なる判決を出すことのハードルを高くすることで(評決に反する理由の明示を求めるなど)、評決が尊重される制度設計になっていることが紹介されていて、日本の裁判員制度も、このような形で、まず導入し試行してみるという方法もあったのではないか、という気がしました。
また、2日目午後のワークショップでは、「集合住宅の共用部分への立入りと住居侵入罪」をテーマにしたものに参加してみましたが、本ブログでも何度か取り上げたことがあるこの問題について、活発な意見交換が行われていて、今後、この問題を考える上で示唆を受ける部分もいくつかありました。これについては、もらった資料も読んだ上で、近日中に本ブログでもコメントしておきたいと考えています(忙しいので無理かもしれませんが、一応、目標ということで)。
ポートアイランドには初めて行きましたが、一種の都会のリゾートのようなところがあって、神戸の街も含め、なかなか良いところという印象を受けました。今回は新幹線で行きましたが、今度行くときは神戸空港も利用してみたいと思っています。