年金氏名 自動読み仮名ソフト導入 入力ミス誘発、システム欠陥

http://www.sankei.co.jp/kyouiku/fukushi/070617/fks070617000.htm

社保庁は54年になり、氏名をコンピューターにカタカナで入力する方式に変更した。ところが、数字記号化されたデータは読み仮名が分からなかったため「漢字カナ変換辞書」を開発。このソフトによって変換された勝手な読み仮名をそのまま、本人に確認することもせずコンピューターに入力した。
この結果、例えば「島崎藤村」(シマザキトウソン)は「シマサキフジムラ」、「裕子」(ヒロコ)が「ユウコ」、「秀一」(シュウイチ)が「ヒデカズ」に変換されるなど、誤った読み仮名が多数入力された可能性がある。

日本人の氏名の「読み方」について、根本的な誤解があったと言うしかないですね。
検察庁にいると(裁判所も同様ですが)、被疑者、被告人を次々と担当しますが、人の名前の読み方、というものは、本当によくわからないもので、本人に聞いてみて初めてわかる、ということが少なくないものです。例えば、私の名前は「洋司」と書いて「ようじ」と読みますが、「ひろし」とも読め(実際、「ひろし」さんですか、と聞かれることもあります)、これを本人に確認しないまま人やソフトが正しく判断することは不可能でしょう。
過去の、既に記録もなくなってしまった当時のことを証明、再現するということは不可能であり、だからこそ、時効制度というものがあるわけですが、この際、年金受給者側が、支払を「一応、確からしい」という程度まで主張すれば、その点に関する立証責任が国側に転換して、「支払がない」ことを証明できなければ支給対象とする、といった取り扱いにでもしないと、この問題は終息しないのではないかと思います。