静岡・女性2人殺害、元静岡大生に無期懲役 東京高裁

http://www.asahi.com/national/update/0614/TKY200706140122.html

大野裁判長は「自己中心的で冷酷、独善的な犯行」としたうえで、強盗殺人罪について「計画的な犯行とは言い難く、境遇にも不遇な点があった」と指摘。「極刑に処するのは、なお躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ない」と述べた。

公務執行執行妨害罪等も問題になっていたようですが、死刑を適用するかを決するにあたっては、記事の中にある

被告は慕っていた女性ががんで亡くなり、女性が通院していた脳神経外科医院の院長を恨み、殺害しようと考えた。医院を訪ねたが院長は不在で同じ建物の店にいた女性従業員2人をナイフで刺殺し、レジなどから現金約6万6000円を奪った。

という行為を、どのように評価するかが問題です。
結果の重大性(殺害被害者2名)や犯行態様の残虐性等からは、死刑適用が十分考えられる事案であり、正に、死刑か無期か、ぎりぎりの事案ではないかと思われますが、計画性の点や不遇な境遇などから、裁判所が、ぎりぎりのところで死刑適用に踏み切れなかった、という印象を強く受けます。
被害者2名の強盗殺人において死刑適用が回避された事例で、今後、量刑資料として参考にされる可能性が高いと思います。

<強盗殺人>女性2人殺害の元静岡大生に死刑求刑 静岡地裁
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060214#1139918061