シャンソン先生ダメ? 私立小教員、コンサート開き停職

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200701050064.html

女性教員は昨年8月に大阪市北区で開いたコンサート(入場料3千円、大学生以下千円)の前、担任をしていた1年生の児童33人に家族の分を含めた約100枚の無料招待券を郵送した。これに対して学院側は、女性教員が校長の許可を得ずに「他の事業」に携わったとして、同11月6日から30日間の停職処分とした。

女性教員側は、コンサート開催の約1カ月前に校長に口頭で伝えて了承を得ていたうえ、利益を得ていないため「他の事業」にあたらないと指摘。「児童を招いたのは音楽と触れ合う機会を与える教育的配慮からであり、そもそも歌手活動は表現の自由にあたる」として、同12月5日付で労働審判を申し立てた。

同学院は朝日新聞の取材に対し、「コンサート開催の許可を得るには文書の提出が必要だった」と了承を否定。そのうえで「停職処分の理由には、職務外の活動のために児童の個人情報を利用して招待券を郵送した行為も含まれている。教員がプロ歌手を兼ねることは業務に支障が出るおそれがある」と反論している。

記事では、「女性教員は97年にもディナーコンサートに出演したとして担任をはずされたほか、99年には同様の理由で同学院から注意を受けている。」とあり、学校側としては、一種の「再犯」視して、厳しい処分にしたのでしょう。
いろいろな論点があると思いますが、最近、会社員などフルタイムの職を持つ一方で、副業も営む人が増えていて、同様の問題状況は至るところに存在すると言ってよいと思います。本業に影響を及ぼすような副業が、就業規則に照らし処分の対象になることには異論はないと思いますが、そうではなく、本業に影響を及ぼさず余暇を使って行っているような副業が、懲戒処分の対象になるかどうかは、処分の内容にもよりますが、微妙な問題があり、場合によっては懲戒権の濫用になる場合もある、という考え方も有力でしょう。ただ、その限界がはっきりしていないのが現状ではないかと思います。学校側が、個人情報の目的外利用も処分の理由であったと主張しているのは、そういった点も意識しているのかもしれません。そもそも、教員がシャンソン歌手を兼ねていることが、業務に支障を来すようなことなのか、ということが問題になるでしょう。
今後の行方を見守りたい事件です。続報に期待します。>朝日新聞