弁護士報酬で対決 名古屋・新南陽工場訴訟で

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20061014/eve_____sya_____008.shtml

市民グループはその後、「住民訴訟の原告が勝訴した場合、弁護士に支払う報酬を地方公共団体に請求できる」という地方自治法の規定によって、弁護団延べ37人分の報酬を市に請求。「市に代わって裁判を闘い、市に約12億4000万円の利益をもたらした」として、当時の日本弁護士連合会報酬基準の計算式にその利益額を当てはめ、報酬額を約1億2400万円とはじき出した。
ところが、市は「賠償金は、市という公共団体が受けた利益であって、市民全体が受けた利益額がいくらになるかは算定できない」と反論。市民グループと同じ計算式を使用したものの、報酬計算の土台となる利益額を、算定できない場合は一律800万円とする日弁連の基準に従って計算し、提示額は196万円にとどまった。
市民グループの算定額だと、弁護士1人当たりの報酬は約340万円、市の提示額では5万円ほど。市民グループ代理人弁護士は「新南陽工場訴訟は上告審まで約9年間にわたって争われた複雑な裁判でもあった。市の提示額は少なすぎて話にならない」と不満をあらわにする。

日弁連の報酬基準は、既に廃止されていますから、廃止された基準から機械的に報酬額を計算しようという方法論自体が、そもそも間違っているような気がします。
市の提示額では1人あたり5万円とのことですが、これが安すぎるのは明らかでしょう。各弁護士が、実際に費やした労力を見て、旧報酬基準も参考にしつつ、妥当な金額を決めるしかないと思います。参考にする場合、やはり、市が受けた利益額を基準に考えるのが筋でしょう。「賠償金は、市という公共団体が受けた利益であって、市民全体が受けた利益額がいくらになるかは算定できない。」という論理には、疑問を感じます。