公園暮らしに「住所」認める 「実体ある」と大阪地裁

http://www.asahi.com/national/update/0127/OSK200601270037.html

判決は、まず住民基本台帳法が定める「住所」について「生活に最も関係の深い全生活の中心を指す」とした。その上で、山内さんのテントの所在地が住所にあたるかどうかを検討。テントが、食事の場所や居間として利用され、日雇い労働などの仕事に出かけている▽角材やベニヤ板で組み立てられ、四隅にくいが打ち込まれて地面に固定された構造物にあたる――と指摘。「原告のテントは客観的に生活の本拠としての実体を備えている」と述べた。

裁判所に、ここまで「実体を備えている」と認定されると、刑法上の不動産侵奪罪が成立するという認定もされるのではないか、と、他人事ながら心配になります。
理屈をこねれば、こういう認定にもなるのかな、とは思いますが、公共の場所であり個人が住み着いてよいはずがない公園に勝手に住んでいる人に、住民登録を認める、というのは、常識的に考えて何か変だな、どこかで間違っているのではないか、という印象を与えるものと言えるでしょう。

追記1:

トラックバックされたブログを読んでいて思ったのですが、今後、地方自治体側が、「実体があるから住民登録が認められるんだろう。実体をなくしてしまわねば。」と考え、公園から人を徹底的に追い出しにかかる可能性が高いのではないかと感じました。確かに、公園で寝泊まりすべきではないのですが、だからと言って、いきなり徹底的に追い立てるのもどうか、という場合もあり(この辺が実務によくあるグレーゾーンです)、微妙に成立しているバランスが、この判決を契機に一気に崩れる恐れもあるでしょう。

追記2:

「ホームレステント強制撤去 2公園で大阪市
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060130/eve_____sya_____003.shtml

大阪市は否定しているようですが、上記の判決と無関係とは思えません。