元議員秘書の実刑判決破棄、猶予刑に 東京高裁

http://www.asahi.com/national/update/0802/TKY200508020175.html

判決理由で安広裁判長は(1)一審での全面否認を改め、犯行をすべて認めたこと(2)今年6月に結婚し、現在妊娠中であること――などを指摘。「一審判決の量刑は、現時点では重すぎる」とした。

証拠を見ていないので、断定的なことは言えませんが、議員と比較すれば従属的な立場であり自分自身の利得も全然ないか僅少であったと推測されますから、上記のような原判決後の事情も併せ考慮すると、実刑では重すぎるということになったのでしょう。
安広(「広」はおそらく正確には「廣」)裁判長は、法廷でしか見たことがありませんが、身も蓋もないような訴訟指揮があるかと思えば、被告人に対し、法廷で、控訴棄却に至った理由を懇切丁寧に説明してくれたりといった人情味のある側面を見せることもあります。
なんだかよくわからない人、という印象がありますが、それほど悪い人ではない(高裁の裁判長ですから悪い人のはずはありませんが)ようです。
この種の、量刑のみが控訴審で問題になっていて、実刑、執行猶予、どちらにもなり得るような事件は、高裁裁判官(その中でも裁判長)の「胸先三寸」みたいなところがあるので、どこの部にあたるかが、被告人の運命を大きく分ける場合があります。上記のような原判決後の情状があっても、控訴棄却になりそうな東京高裁の裁判部が、いくつか頭に思い浮かびます(苦虫をかみつぶしたような表情で判決を宣告する裁判長の顔も・・・)。
この被告人は、その意味で運が良かったと言えるでしょう。