日航機乗員の厚意で上空から慰霊

欧州へ立つ前にどたばたしていて読んでいなかった新聞を読みながら整理していたところ、7月14日の朝日新聞朝刊「声」で、6月中旬、成田からロンドンへ向かう日航機内において、乗員の厚意により、シベリアで抑留中に亡くなった父親の慰霊を、同上空を飛行中に行うことができたという方の投稿が掲載されていた。
投稿によれば、その方の依頼に対し、日航側で、通過時刻を親切に教えてくれた上、空いている座席にお供物を置き献杯の用意もしてくれたということである。
その方は、投稿で、「家族で父に献杯し、心ゆくまで祈ることができた。」と述べ、乗員に大変感謝しておられた。
シベリア抑留は、本当に悲劇的な出来事であり、多数の犠牲者を出した上、何とか生き残った方々に対しても、十分な補償が行われず、非常に痛ましいことと言うしかない。そういった犠牲者のご遺族に対し、こういった心のこもった配慮ある対応をしたというのは、特筆すべきことであり、大きく評価できると思う。