弁護士は儲かるか?

「やっぱ弁護士って儲かるんですね(^_^)」
http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20050521/p17

時給10万円というのは、確かに羽振りが良いと思いますが、「弁護士は儲かる」と言うよりも、「儲かる弁護士もいるが、儲からない弁護士はもっといる」というほうが正確でしょうね。
私自身は、弁護士になって4年半ほどで、この業界の事情に詳しいわけでもありませんが、弁護士の場合、見た目の収入が、やや多くても、自前で事務所を構え、什器備品を揃え、事務員を雇用し、各種の費用を支払って、ということで、結構、費用がかかります。事務所の規模がある程度大きくなってくれば、一種の企業家として働く部分も出てきますから、神経も使います。いま、時給10万円で仕事を依頼してくれる依頼者が、今後、継続的に仕事を依頼してくれるという保証は何もありません。
また、弁護士という仕事は、公益性もありますから、お金になる仕事だけをやっていれば良いというわけではなく、弁護士会の仕事をしたり、国選弁護・当番弁護などを担当したり、といった、「お金にはなりにくい」仕事にも一定時間を割くというのが一般的です(やらない人もいますが)。
こういう状況では、何をもって「儲かる」と言うか、にもよりますが、世間一般がイメージするような「儲かる」弁護士像というのは、ごく一部の弁護士にあてはまるものであり、相当数の弁護士は、それほど儲かっていない、というのが現実ではないかと思います。
法曹人口が、今後、大幅に増えることを危惧する声が、弁護士会内に根強い背景には、こういった事情もあると言えるでしょう。
お金を儲けたい、という人には、法律家はお勧めできません。