winny幇助公判中の証言について

http://d.hatena.ne.jp/gb2/20050217

で、法廷を傍聴していた立場から、

http://www.asahi.com/tech/apc/050217.html

に対し、若干の疑問を呈しつつ補足されています。
その中で、

京都府警の上司の警部らに電話をした上で、現場で判断することは無理として京都に持ち帰ったのでしたっけ?
わたしのメモによれば、『本部とは連絡を取っておらず、すべて自分に一任されていた(?)。』とあり、京都府警に電話したことにはなっていません。
『(?)』となっているのは、傍聴メモにはこのように書いてはいるのですが、何に係るかが分からなかったためです。
しかし、前後の質問のメモから、被告人が話した内容についてであることが濃厚です。
幇助事件の捜査の班長にあたるT捜査官によれば、この日の京都府警での作業責任者は警部補だったそうで、この方に連絡がついていたとしても「上司の警部ら」とは食い違います。
またT捜査官によれば、この日の『トラブル時の連絡体制は決めていなかったが、最終的な判断は当時の室長が決める立場にいた。』としており、室長に連絡がついていれば「現場で判断するのは無理」と考える必要はなく、室長の指示に従えば良かったはずです。
メモには書いていませんでしたが、わたしの記憶によると、K捜査官が相談したのは京都府警から本富士警察署に来ていた2、3人とであり、その相談の中で「こんなことを言い出したんですよ。どうしたらええんでしょうかねえ」みたいな会話をしたと証言していたような気がします。

とあり、私も、一応、「元捜査官」で、こういった捜索・差押の現場を経験したことも何度もあるので、推測も含めて考察しておきたいと思います。
このように、出張してガサ(捜索・差押)を行う場合、目的は、令状を執行して事故のないようにガサを遂行することが主です。京都から東京へ出張してきた、という場合は、不慣れなところでもあり、その日のうちに京都へ戻って事後処理も行うということになっていたはずですから、時間にも余裕はなかったはずです。
そういう中での参考人聴取で、相手がちょっと変わったことを言った、ということがあった場合に、そのことを、即座に帳場などに報告するかというと、報告しない可能性が結構高いのではないかと思います。
また、「最終的な判断は室長」というのは、それはその通りだと思いますが、参考人がちょっと変わったことを言った(ということが仮にあったとして)場合に、現場の責任者が警視(だったと思います)である京都府警のハイテク犯罪対策室長にわざわざ直接判断を仰ぐというのは考えにくいでしょう。
証言を聞いておらず、あくまで推測になってしまいますが、私の経験に照らすと、上記のように、

わたしの記憶によると、K捜査官が相談したのは京都府警から本富士警察署に来ていた2、3人とであり、その相談の中で「こんなことを言い出したんですよ。どうしたらええんでしょうかねえ」みたいな会話をしたと証言していたような気がします。

のほうが、当時の状況としては、そうだったのではないかという印象を受けます。