<京都府立医大>主治医証言、立件の鍵…専門性の壁で攻防

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170225-00000002-mai-soci

暴力団組長をめぐる京都府医大付属病院(京都市上京区)の虚偽診断書類作成事件で府警は、病院から押収したカルテの分析や、主治医(44)らからの任意聴取を通じ、立件を目指している。診断には医師に幅広い裁量が認められ、虚偽と立証するには高い壁があるとされるが、供述や証拠を積み重ねて乗り越える構えだ。

こうした中で捜査のポイントとみられるのは、家宅捜索前の府警の任意聴取に、虚偽内容の診断書類を書いたことを認めたとされる主治医の証言だ。捜査関係者は「病院長の説明が医学的に合っているか間違っているかは、あまり重要ではない」と話し、捜査に自信を示す。
東京地検検事の落合洋司弁護士は「『医師の判断や評価は事実でない』と証明するのは簡単ではない。それでも家宅捜索に踏み切ったことを考えると、相当に虚偽性が高いと判断する材料を府警が得ているのではないか」とみる。

こうした、医療における「虚偽」については、何もやっていないのにやったように装うというタイプでは刑事の立件対象になることがありますが、病気、怪我といったこと自体には実態があり、その評価の部分での虚偽ということになると、人による評価には幅もありますから、それを後付けで意図した「虚偽」であった(犯罪)とはなかなか決めつけにくいものがあります。その意味で、敢えてそういう難しいとところに捜査機関が思い切って踏み込む以上、それだけの具体的な根拠を持っているのではないかというのが、私の推測です。
以前、某地検にいた際に、警察が、特定の医師がその地域の暴力団関係者と親密で、保釈が効きやすかったりするようにいい加減な診断書を書いては出しているという話をしていたことがあり、ありがちな関係に一罰百戒を狙って警察が切り込もうとしている(刑事事件としての今後がどうなるかはわかりませんが)という見方もできるかもしれません。