弁護人の面会申入を拒否する検事

弁護士会関係のメーリングリストで、以下のようなメールが回ってきました(発信者のご了解を得て紹介します、なお、検事名は伏せてあります)。

現在、共犯者4名の一部否認事件で、ある被疑者の弁護を担当していますが、東京地方検察庁のA検事は、何度お願いしても「忙しい」の一点張りで弁護人を会おうとしません。
意見書をFAX提出し、その後資料を持参した上できちんと話をしたいと考えているのですが、全く話になりません。
否認部分と情状については、電話で済ますのではなく弁護人としても検察官に会って話すべき事項があります。検察官もわかるはずです。
今まで検察官面接は、断られたことがなく,今回初めて本格的に拒絶されております。
午後10時でも11時でも検察官の時間に合わせると言ってもダメです。
これって今は普通の対応なのでしょうか?

結論から言うと、普通の対応ではなく、「異常な」対応だと思います。私が検事に任官したのは平成元年ですが、最初に教えられたことは、「弁護人が面会を求めてきた時は、できるだけ時間をやりくりして早急に面会すること」でした。もちろん、同じ用件で何度も面会を求めるとか、会う必要がない場合もありえますが、私の経験上も、そういう非常識な人はほとんどおらず(弁護士は忙しいので、そういう無駄なことをしている暇もないのが実状です)、私の場合も、弁護人から面会の要請があれば、忙しくても、時間を作って面会していましたし、時間がとりにくければ、10分だけとか、15分だけとか予め断って会っており、その程度の時間すらとれない、ということは、いくら忙しくても考えられないと思います。
現時点で、私は検事ではないので、検察庁がどういう指導をしているかはわかりませんが、常識的に考えても、私が受けた指導が変わっているとは思えませんし、弁護人と会って意見を聞くのも、事件処理上、有益なことであり、一切会わないというのは、そういう機会を逸していることでもあって、得策とは到底言い難いと思います。
この検事が、単に横着なだけでしょう。
このブログを見ている検察庁関係者が、もし、いれば、他人事と考えず、十分注意してほしいと思いますし、この問題が、メーリングリストに流れただけで終わるはずもない(発信者の先生には今後の対応について私なりのアドバイスもしておきました)ことも付記しておきます。