私が司法試験に合格するまで(その4)

ロースクールに関するサイト、ブログ、掲示板などを見ていると、ロースクールの講義がつまらない、課題など負担が大きすぎる、司法試験に役立つかどうか疑問、といっった学生の不満が目立ちます。
私の場合、受験勉強の中で、講義出席がどの程度のウエイトを占めていたかですが、基本的な方針は、「司法試験に役立ちそうなレベルの高い講義には出席し、そうでないものは切り捨てて出ない」といった方針で臨んでいました。
大学2年生から合格までの、通常の生活は、午前10時ころに大学へ行って、学生読書室(早稲田関係者ならわかると思いますが、仕切がついたブースのような席が並んでいた)で席を確保し、そこで勉強しながら、おもしろそうな講義があれば時々離席して出席し、また戻って勉強して、午後9時ころ学校を出る、といったものでした。
大学の講義で真面目に出席していたのは、所属していたゼミ(2年生の時は民法、3・4年生の時は商法)のほか、鎌田先生の物権法、石丸先生の刑事訴訟法(ただし、昔話が多くて肝心の刑訴法の話が少ないので途中でやめる)など、数えるほどでした。大学の講義ではありませんでしたが、法職課程で、当時、辰巳法律研究所で講師をされていた近藤仁一弁護士の刑法各論の講義があり、比較的短い設例をうまく使って具体的な講義がされていたので出席し、今でも印象深く覚えています。
したがって、当時の私の勉強のスタイルは、座って基本書や予備校のテキストを徹底的に読み込むことが中心であったと言って良いと思います。やはり、文字として入る情報が、情報量としては他の手段(講義、テープなど)よりも圧倒的に多く、有益度が高いので、大学4年で最終合格したことから見ても、そういった勉強方法は間違ってはいなかったと思います。
学生の自主性を尊重する早稲田だからこそ、出たい講義だけ出る、という、ある意味で自分勝手な勉強方法が通用したとも言えますが、現行の一般的なロースクールのように、講義やその予習復習にとられる時間が長いと、どうしても自分の勉強時間がとりにくくなり、講義の内容が身に付かず自習時間も取れなくて、結局、何も身に付いていない、ということになってしまう危険性があるのではないかと思います。

(続く)