「自民党側は立件できない」発言は漆間官房副長官

http://www.asahi.com/politics/update/0308/TKY200903080021.html

河村長官は番組で、漆間副長官から発言について報告を求めたと説明。河村氏によると、漆間氏は「記者との懇談の場で聞かれた。この種の逮捕についてはまさに法と証拠に基づいてやっているのだろう。しかし、それによって特定の議員への影響やその判断を示したことは一切ない。捜査の帰趨(きすう)に関することを説明したつもりはない」と、あくまで一般論を述べたことを説明したという。

漆間氏は5日、首相官邸で開かれた記者団との定例の懇談で「自民党側は立件できないと思う。特に(違法性の)認識の問題で出来ないだろう」と、自民党議員に捜査は拡大しないとの認識を示した。

これだけ重要な問題について、元警察庁長官という要職にあった内閣官房副長官が、単なる一般論を述べたとは考えにくいものがあるでしょうね。
可能性としては、法務省検察庁上層部に、何らかの情報源を持っていて(元警察庁長官であればその可能性はあるでしょう、要するに法務省検察庁内にSがいるということです)、そこから聞き及んだかもしれず、また、特捜部の事件については、法務大臣にも報告が上がってくるので、法務大臣から官邸へ上がってきた報告なり書類なりを目にして、それに基づいて上記のような発言をしていたということも考えられます。
自民党はやらない、ということで、官邸からゴーサインが出た、ということであれば、それはそれで立派な(?)国策捜査ということは言えるのではないかと思われ、官房副長官が上記ののように否定する程度では、この疑惑は消し去れないでしょう。
特捜部としては、こういった国策捜査疑惑を払拭するためにも、自民党側についても捜査の対象にせざるを得ない状況に追い込まれている可能性が高く、3月で異動目前の時期に、大変なことだろうなと感じます。

徹底抗戦

徹底抗戦

徹底抗戦

話題になっているようですが、早速、アマゾンで購入して読んでみました。
第一印象としては、上告審係属中という事情によるということもあったようですが、薄くて物足りないな、ということでした。有罪判決に不満があり自分は無罪である、ということを著書で世に問いたいのであれば、事実ではない、知らなかったというだけでなく、地裁、高裁で合計6名の裁判官が膨大な証拠に接した上で有罪、実刑判決が出ている、その理由、根拠について、それがなぜ間違っていて自分は無罪なのか、ということを、もっと説明しないと、読者としてはもやもやとしたものが残ります。「この程度の説明しかできないのか」と感じる人もいるでしょう。
この本は、一種の「国策捜査批判本」の系譜に連なるものになると思われますが、捜査の動機に不純なものがあったり、立件できる複数の事件の中での取り上げ方に偏頗なものがあったとしても、起訴され、公判を経て、有罪となり、それが高裁判決まで出ている段階に至れば、その中で積み重ねられてきた「証拠の重み」というものはかなり大きなものがあって、堀江氏としては、それは上告審で徹底的に争っていると言いたいのかもしれませんが、こういった薄めな著書を出すことで、堀江氏側の主張とか反証の薄さ、乏しさということを感じる向きもあるのではないか、という印象も受けました。
いずれにしても、上告審の結論も、それほど遠からず出るはずで、そこで司法による最終的な判断が示されることになります。
堀江氏のような、通常の社会生活を営む企業経営者が、突如として逮捕、勾留され、特捜部による苛烈な捜査の対象になった場合の、対象になった側の苦労、困惑、怒りといったことは、薄い中にもよく出ていて、私としては、むしろ、その点について興味深く読めた1冊でした。

ロープ―“隔て”から“絆”へ 夫・中嶋常幸復活の軌跡

ロープ―“隔て”から“絆”へ 夫・中嶋常幸復活の軌跡

ロープ―“隔て”から“絆”へ 夫・中嶋常幸復活の軌跡

最近、あるところへ行ったところ、そこでたまたまプロゴルファーの中嶋常幸氏をお見かけし、同氏が敬虔なクリスチャンであることを知り、その後、この本の存在も知って、興味を感じ読んでみました。
題名にある通り、妻の手による中嶋常幸氏の半生記、といった内容ですが、その軸の部分に、キリスト教に対する信仰ということが据えられていて、その意味で異色の1冊と言えるように感じました。
ゴルフはメンタルな要素が大きなスポーツと言われますが、この本を読んで、そいういった側面もよくわかり、いろいろなことで気を使うことが多い私にはとても手が出せない、手を出すべきでないスポーツである、ということが、改めてよくわかりました。

炎のストッパー・故津田投手のオリジナル切手発売へ

http://www.asahi.com/national/update/0306/SEB200903060012.html

南陽工出身の津田投手は78年の選抜高校野球で母校を準々決勝へ導いた。プロ野球でも抑え投手として活躍したが、脳腫瘍(しゅよう)のために32歳の若さで亡くなった。切手は今も人気のある津田投手と南陽工が選抜出場を決めたことを記念して発売される。

前にも本ブログで触れたことがありますが、津田投手が活躍する様子は、今でも私の記憶の中に鮮やかに残っていて、早世したことが今でも信じられない思いですね。リリーフで津田投手が登場することがわかったときの、カープファンの、あの高揚感、勝利が見えてきたと確信する気持ち、といったことは、言葉ではなかなか表現にしくいものがあります。早世していなければ、その後も活躍し、今頃は指導者、あるいは解説者として、ひょうきんな感じの人でもあったので、もしかしたらタレントとしても、活躍していたことでしょう。
現役時代の津田投手を知っている人も、知らない人も、この切手でその存在を改めて振り返ることができるのは、私としても大変うれしく思います。

最後のストライク―津田恒美と生きた2年3カ月 (幻冬舎文庫)

最後のストライク―津田恒美と生きた2年3カ月 (幻冬舎文庫)

最後のストライク―津田恒美と生きた2年3カ月

最後のストライク―津田恒美と生きた2年3カ月

映画「チェンジリング」

http://changeling.jp/

行方不明になった我が子が戻ってきたら別人になっていた、という、信じがたい事態の真相が、徐々に明らかになって行く、という展開ですが、映画としての出来が良い上、アンジェリーナ・ジョリーの熱演も印象的で、最近、私が観た映画の中ではおもしろい部類に入る作品でした。
警察の初動捜査の重要性ということは言い古されていますが、この映画を観て、改めて強く感じました。