「関ヶ原合戦を復元する」

 

最近、従来の通説とされてきた関ヶ原合戦の様相が、最新の史料解析等により見直されてきて論争が活発になっていますが、本書はその中で一石を投じる内容で、なかなかおもしろく読むことができました。

最近の有力説の中には、従来の通説が、数時間にわたる激戦の末に小早川秀秋の裏切りがあり西軍が総崩れになった、とするのを否定し、初期の段階で小早川秀秋の裏切りがあり激戦の前に決着がついたとするものもあります。しかし、本書の著者はそれには与せず、小早川秀秋の裏切りの後に一定時間、激戦があって勝敗の決着がついたと見ているようであり、私自身も、この辺が手堅い見方なのではないかと感じるものがありました。

関ヶ原合戦に興味がある人にはお勧めできる1冊です。