NHKスペシャルのほうは未視聴だったのですが、本が出たので先に読んでみました。番組は、オンデマンドなどで観られたら観たいと考えています。
こういった引きこもりには、それぞれのケースで個別の原因があるものの、余裕のない社会の在り方が、人を追い込み、一旦引きこもると社会復帰を困難にさせていることが、本書で紹介されている実例を通うじて強く感じさせられました。
昭和時代の高度経済成長の呪縛、努力すれば報われるという幻想から、日本社会自体が、もういい加減に脱皮して、低成長であっても、人に無理を強いず、人間らしい、無理な努力をしなくても余裕のある生活が送れる社会を目指す必要があるでしょう。
この問題が、日本社会の在り方に鋭く問題提起をしていることを、読み終えて強く感じました。また、引きこもっている人々に温かい手を差し伸べ、共に生きていけるように、ケアする態勢を、より強化していく必要も感じるものがありました。